解説この自民党と公明党の政治資金規正法改正に関する合意は、方向性についての大筋合意にすぎません。これまでも政治資金については抜け穴が多かったわけで、この合意で実効性が十分に担保されるのかは不確かです。最も分かりやすいのがパーティー券の公開基準の金額が定まらないこと。焦点の「連座制」も、議員が確認書を提出する方法が採用されますが、どのような場合に連座となるのかは曖昧です。政策活動費の使途の公表範囲もはっきりしません。 一応の方向性については合意をみたことは確かだとしても、本番はこれからという印象です。結局、もっと早くから政治資金規正法の改正に向けて動き出していたらよかったのですが、自民党が党内処分などで手一杯になり、もう通常国会の会期末が1カ月半後に迫っています。この隙間だらけの合意は、岸田内閣の政権運営がうまく回っていないということを示しています。
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コメンテータープロフィール
専門は日本政治外交史、現代日本政治論。近著に、『自民党―「一強」の実像』中公新書、『自公政権とは何か』ちくま新書、『日本共産党』中公新書など。
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