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中井彰人

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株式会社nakaja lab 代表取締役/流通アナリスト

報告

解説西友の2023年度の業績は、売上高6647億円、経常利益270億円と相応の収益に改善、店舗網も九州、北海道を先行して売却し、三大都市圏+長野、南東北に集約されたことで、一括売却可能な再構築が完了した、ということだ。企業価値を上げて売却することが商売のファンドとしては、ここで売るのも当然なのであろう。今後、地方での市場縮小が避けられない中で、三大都市圏のマーケットでのシェアアップは、スーパーにとって大きな課題であり、収益化した西友店舗網を獲得することは魅力的な案件となっている。ただ、展開地域に偏りのある企業が大半のスーパー業界においては、西友の広域な店舗網を一括で買えること、総合スーパー形態の店舗が多い(非食品売場を運営、または、テナント運営する必要がある)ことから、買い手は限られており、イオン、PPIH(ドンキ)、トライアルといったプレイヤーが名乗り、というのも納得のネームと言えるだろう。

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  • 西川立一

    ラディック代表/流通ジャーナリスト/マーケティングプランナー

    補足西友の2023年12月期は、売上高前期比5.8%減の6647億円、営業利益24.8%増の259億円。…続きを読む

コメンテータープロフィール

中井彰人

株式会社nakaja lab 代表取締役/流通アナリスト

みずほ銀行産業調査部で 小売・流通アナリストに10年以上従事。2016年同行を退職後、中小企業診断士として独立、開業。同時に、慶應藤沢イノベーションビレッジでベンチャー支援活動を開始。並行して、流通関連での執筆活動を継続し、TV出演、新聞、雑誌などへの寄稿、コメント提供、講演活動などを実施中。2016年よりITmediaビジネスオンライン「小売流通アナリストの視点」、2021年よりビジネス+IT「流通戦国時代を読み解く」 を連載中2020年よりYahoo!公式コメンテーター。2021年8月「図解即戦力 小売業界」(技術評論社)を発刊。

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