提言風向きが変わってきました。今まで国を挙げて電子決済、そしてバーコード決済を推奨してきました。確かに店舗および利用者共々に便利さ、手軽さを筆頭に利点が多く、電子決済の必要性は否定するものではなく、進めていかなくてはなりません。しかし電子決済、特にスマホを使ったバーコード決済はその手軽さゆえに欠点、つまり不正に利用される可能性も少なくないのです。バーコード決済では、店舗および利用者それぞれが決済が正常に終わったかをネットワークを通して決済装置およびスマホで確認する必要があります。それを怠れば簡単に不正決済が行われてしまいます。paypayという音では簡単に、音を偽装されてしまいます。サイバー社会でセキュリティ(安全性)を考える際は、安全性と利便性はトレードオフの関係になり、反比例することが常です。そろそろ不正利用とその対策、何よりも注意が必要であることに声を上げなければなりません。
コメンテータープロフィール
1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工繊大助手、愛媛大助教授を経て、1995年徳島大工学部教授、2005年神戸大学大学院工学研究科教授(~2024年)。近畿大学情報学研究所サイバーセキュリティ部門部門長、客員教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。情報通信工学、特にサイバーセキュリティ、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。内閣府等各種政府系委員会の座長、委員を歴任。2018年情報化促進貢献個人表彰経済産業大臣賞受賞。 2019年総務省情報通信功績賞受賞。2020年情報セキュリティ文化賞受賞。2024年総務大臣表彰。電子情報通信学会フェロー。
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