見解これが内田社長が言っていた「ターンアラウンド」の一環だとすると、社内外に対するインパクトは当然、弱すぎる。 日産再生のキモは、現状ではホンダとの連携。 次世代技術の共同開発や、グローバル市場でのモデル相互補完など、各領域で日産・ホンダの担当者レベルでの意見交換が進んでいることになってはいるが‥。 自動車産業界の実態を鑑みれば、たんなる2社連携や共同での技術開発という 旧来型の座組では、もはや日産にとっても、ホンダにとっても、事業変革の柱にはならない印象がある。 俗にいう、バリューチェーンの変革。つまり、業界再編、社会変化を伴う企業としてのフルモデルチェンジが、いまこそ必要な時期。これはホンダも同様だ。 日産経営陣が、どこまでの大手術をするのか、「ターンアラウンド」の今後を見守りたい。
コメンテータープロフィール
専門は世界自動車産業。周辺産業として、エネルギー、IT、高齢化問題などをカバー。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラダイムシフト、EV等の車両電動化、自動運転、情報通信のテレマティクス、高齢ドライバー問題や公共交通再編など。日本自動車ジャーナリスト協会会員。福井県永平寺町エボルーション大使。