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三牧聖子

三牧聖子

認証済み

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

解説人質4人は健康状態も問題なく、イスラエルの病院に搬送された。他方、ヌセイラト難民キャンプへの攻撃によるガザ側の死者は、判明しているだけでも200名超に及び、その多くが子供と女性であったという。負傷者が続々と運び込まれているアル・アクサ殉教者病院の2台の発電機のうち1台が故障し、現在は1台の発電機のみで稼働している。ガザの医療サービスも極限の状態にあり、死傷者はさらに増える恐れがある。 昨日国連は、イスラエルを子どもの権利を著しく侵害した国のひとつに新たに指定した。これに対してイスラエルは、「イスラエル軍は世界で最も道徳的な軍隊だ」と強く反発しているが、もはや国際社会がこうしたイスラエルの主張に真面目に耳を傾けることはないだろう。もちろんイスラエルには、人質奪還を追求する権利があるが、その過程で無差別にガザ市民を殺害することは国際法上、許されない。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 錦田愛子

    慶應義塾大学法学部教授

    見解イスラエルにとっては待望の軍事作戦による人質の解放である。今回解放されたのは年齢も若く健康状態もよい…続きを読む

コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

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