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三牧聖子

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同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

解説買収の禁止命令を受けた声明で、USスチールCEOブリット氏は「バイデン大統領の政治的腐敗と戦う」とバイデンを強く批判し、買収が頓挫したことで、世界の粗鋼生産量で大きなシェアを占める中国企業の地位はより安泰になったことを「中国共産党の指導者たちが街頭で小躍りしている」と皮肉った。さらに声明末尾で「我々には最良のディール(取引)を実現するために懸命に働く大統領が必要」とも述べていた。バイデンの「腐敗」への厳しい言及や「ディール」という言葉使いには、バイデン大統領と同じく買収に反対してきたトランプ次期大統領が翻意することへの期待感がにじむ。もっともトランプは6日、自身が掲げてきた関税強化政策により、USスチールの経営状況は改善するため、日本製鉄による買収は不要だとの従来の立場を改めて示した。今のところ、次期トランプ政権で劇的に状況が変わるということはなさそうだ。

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  • 門倉貴史

    エコノミスト/経済評論家

    見解米国政府を提訴した場合、かなりの時間と費用を要することになるが、何を差し置いても提訴することの意義は…続きを読む

  • 前嶋和弘

    上智大学総合グローバル学部教授

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コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

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