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三牧聖子

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同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

「今回の事件で旧統一教会を批判にさらして迷惑をかけてしまい申し訳ない」という発言からしても、母親はいまだマインドコントロールのもとにあるとみられる。 統一教会は世界190カ国以上に進出していると主張しているが、全世界の信者数は、せいぜい数十万人だ。日本の信者数は数万人規模だが、それ以上に注目すべきは、教会に集まる金の7割超が日本の信者からとみられることだ。日本は緩すぎるカルト規制のために、カルトによる霊感商法など悪徳な手法を許し、市民が最も搾取されやすい国の1つとなってしまっている。会見が開かれたとして、母親が教団を激しく批判する展開にはならないかもしれない。しかし、人生を破壊するほどの多額の献金をさせられ、息子がこのような重大事件を起こしてなお、教団を批判できないこと自体が、マインドコントロールの根深さ、カルトの恐ろしさ・非道さを伝えているといえる。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 多田文明

    詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

    謝罪会見を開きたいとのことです。 まだ事件から一ヶ月程度しかたっておらず、旧統一教会から心が離れて…続きを読む

  • 江川紹子

    ジャーナリスト・神奈川大学特任教授

    動機の形成過程を解明していくうえで、母親は重要な存在だ。ただ、彼女は今も教団の価値観に心を縛られたま…続きを読む

コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

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