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江川紹子

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ジャーナリスト・神奈川大学特任教授

報告

動機の形成過程を解明していくうえで、母親は重要な存在だ。ただ、彼女は今も教団の価値観に心を縛られたままで、教団に対し「申し訳ない」と述べているとも報じられた。こんなに短期間で、マインドコントロール状態の心が整理されるとは思えない。そのような状態で会見を開いても、真に動機の解明につながるとは思えず、社会的にはあまり意味がないのではないか。教団の問題から、親子関係という家庭内の問題や山上徹也容疑者の資質などに論点がずされていく可能性も否定できない。  山上容疑者のSNSでの発信などからは、母親に対する愛情を含めた複雑な思いが感じられる。母親は、統一教会との関係においては被害者だが、息子に対しては加害者的側面も否定できない。「世間」に向けての謝罪より、まずは真剣に息子と向き合ってほしいと思う。容疑者が真に罪を悔いる心境に至るためにも、このプロセスが大事ではないか。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 三牧聖子

    同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

    「今回の事件で旧統一教会を批判にさらして迷惑をかけてしまい申し訳ない」という発言からしても、母親はい…続きを読む

  • 多田文明

    詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

    謝罪会見を開きたいとのことです。 まだ事件から一ヶ月程度しかたっておらず、旧統一教会から心が離れて…続きを読む

コメンテータープロフィール

江川紹子

ジャーナリスト・神奈川大学特任教授

神奈川新聞記者を経てフリーランス。司法、政治、災害、教育、カルト、音楽など関心分野は様々です。2020年4月から神奈川大学国際日本学部の特任教授を務め、カルト問題やメディア論を教えています。

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