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三牧聖子

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同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

解説ハリスがビヨンセを選挙集会に迎えたのと同じ日、トランプはミシガン州で集会を開催し、壇上にバイデン政権の中東政策に憤るイスラム教の指導者を迎えていた。「中東での終わりのない戦争を止める」とうたうトランプに応え、イスラム教の指導者たちはトランプ支持を表明した。もっともトランプが語る「中東の平和」の内実が、アラブ系やイスラム教徒が求めるようなものかは疑わしい。10月保守系ラジオ司会者の番組に出演したトランプは、ガザについて「不動産開発業者目線でいえば、ここは最も美しい場所になるかもしれない」と語った。建物の6割近くが破壊され、4万を超える犠牲者が生まれているガザの人道危機を顧みない「不動産開発業者」目線は、恐ろしい。他方でトランプ陣営の選挙戦略に対抗し、アラブ系市民を民主党支持へ引き戻す有効な戦略をハリス陣営が展開してこれなかったことも事実だ。アラブ系の支持率でハリスはトランプと拮抗している。

コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

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