補足本日おこなわれている叡王戦五番勝負第４局・藤井聡太叡王（八冠）－伊藤匠七段戦は、期待にたがわず力のこもった熱戦となりました。17時を過ぎた現在は、わずかに後手の藤井叡王がリードしていると見られています。最後はどのような決着を見せるのでしょうか。藤井叡王は直近、名人戦七番勝負で強敵・豊島将之九段の挑戦を４勝１敗でしりぞけ、日程的にも、気持ちの上でも少し余裕ができた点は、八冠維持に向けてプラスにはたらくかもしれません。現在21歳７か月の伊藤七段は、本局で勝って初タイトルを獲得すると、史上８番目の年少記録となります。羽生善治九段にとっては、同い年で小学生の頃から戦ってきた森内俊之九段が、対戦成績も伯仲するライバルとなりました。今後、藤井叡王と伊藤七段もそうした関係になる可能性は非常に高いと思われます。
コメンテータープロフィール
フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』（角川新書）、『棋士とAIはどう戦ってきたか』（洋泉社新書）、『天才 藤井聡太』（文藝春秋）、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』（NHK出版新書）、『藤井聡太はAIに勝てるか？』（光文社新書）、『棋承転結』（朝日新聞出版）など。
