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益尾知佐子

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国際政治学者/九州大学大学院比較社会文化研究院教授

報告

見解中国は台湾の蔡英文政権期には台湾に対して空からの圧力を加えていましたが、最近は海に照準を移しています。特に今年2月、金門島近くで台湾海巡署の船と中国不審船の間で事故が起き、大陸側に2名の死者が出てから、台湾に圧力をかけるのに中国海警局が駆り出されるようになりました。今回の行動にも海警船が30隻ほど動員されている、という情報があります。東・南シナ海で日本やフィリピンに対してやっていたハラスメントを、今度は台湾に、より大きな規模でやり始めた感じです。 ただし、なぜこれをやるのか、と考えるとちょっと不思議です。最近は中国海警船が、まず金門でパトロールし、それから尖閣に来たりしてます。これではまるで日台にもっと連携を強化してくださいとお願いしているようなものです。同様に、台湾とフィリピンの関係も強まっています。作戦が間違っている気がしますが、それを超えるメリットが中国にあるのでしょうか。

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コメンテータープロフィール

益尾知佐子

国際政治学者/九州大学大学院比較社会文化研究院教授

専門は現代中国の対外政策、国際関係論。東京大学総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。小倉高校在学中にアメリカに、東京大学教養学部在学中に中国に交換留学してサバイバル力を磨く。日本国際問題研究所研究員、エズラ・F・ヴォーゲル教授研究助手、早稲田大学講師などを経て現職。ハーバード大学イェンチン研究所協働研究学者、中国社会科学院・外交学院訪問学者などを歴任。単著に『中国の行動原理──国内潮流が決める国際関係』、『中国政治外交の転換点──改革開放と「独立自主の対外政策」』、共著に『中国外交史』、訳書にエズラ・F・ヴォーゲル『日中関係史』など。好きなものは国境。

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