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牧原出

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東京大学先端科学技術研究センター教授

報告

解説国民民主幹部の「交渉決裂」発言は、支持者向けの「ネット言葉」であり、リアルで対話継続を捨てたとみるべきではない。これまでの政治家のメディア向け発言は、不特定多数向けの世論誘導という面があったが、国民民主は特定の支持者を煽ることを狙った発言がほぼすべてである。それは確かに有効なネット戦略だが、そうした発言が国会などでの議員の行動を意味するわけではないと見た方がよい。だが、将来国民民主の支持率が20%を超えるような広い支持層を得るときが来れば、支持層向けの発言がそのまま議員行動となる場合もあるだろう。小政党の仲間向け発言が、広い国民各層へと訴えかける発言へと転換するのは、少なくとも今ではないだろう。

コメンテータープロフィール

牧原出

東京大学先端科学技術研究センター教授

1967年生まれ。1990年、東京大学法学部卒業。東北大学法学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員研究員、東北大学大学院法学研究科教授などを経て2013年より現職です。 官僚制の歴史研究と政治家・官僚へのオーラル・ヒストリーを用いて、日本政治を研究しながら、現在の政治・行政をウォッチしています。著書に『 内閣政治と「大蔵省支配」』(中央公論新社)、『行政改革と調整のシステム』(東京大学出版会)、『権力移行』(NHK出版)、『「安倍一強」の謎』(朝日新聞出版)、『崩れる政治を立て直す』(講談社)など。

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