総理番記者が「石破構文」を徹底分析…国会答弁約22万語から見えた「3つの特徴」 今年の政権運営のポイントとは?
2025年、石破政権の“仕事始め”は、あす1月6日。少数与党国会という厳しい状況の中、今年の政権の行方はどうなるのか?それを占うべく、総理番記者が約22万語の首相答弁を徹底分析。野党が「石破構文」とも揶揄した首相の弱点とは?少数与党国会を打破する、首相の戦略とは?(日本テレビ政治部総理番記者 糸繰雄亮) 去年12月、石破首相は就任後、初の予算委員会に臨んだ。2025年の政権運営を占うにあたり、カギはその臨時国会での首相答弁にあるとみて、8日間にわたる予算委員会での首相答弁「約22万語」を分析してみた。すると、一番多かった語句や象徴的なやりとりから「3つの特徴」が浮かび上がってきた。
■特徴① 最多ワード「議論」…「熟議の国会」掲げる首相の姿
多く使われた言葉が何かを“ひと目”でわかるように表示するシステムを使って、首相答弁を分析したものが上の図だ。石破首相が臨時国会予算委員会での答弁で実際に使った言葉を多い順に並べてみると、1位は「議論」だった。 【石破首相の使った言葉ランキング】 1位:議論 2位:私ども 3位:指摘 4位:委員 5位:国民 石破首相が多く使った言葉から見えたモノは何か?注目したのは、1位の「議論」、2位の「私ども」、4位の「委員」。この「委員」とは、国会の委員会審議中に質問に立った議員を呼ぶ際の呼称だ。厳密に決まっているものではないが、石破首相は「○○委員」と呼ぶことが多い。また、質問時間の配分は時代によってかわるものの、昨今では与党3:野党7が目安とされてきた。つまり野党の質問時間が圧倒的に多いのだ。 こうしたことから、答弁分析により浮かび上がるのは、「『私(首相)ども』と『野党議員』が『議論』する」という事。少数与党国会で、石破首相が野党議員と「熟議」する姿勢を前面に出した証左といえる。 政府関係者は「首相は議論が好きなんだよね」。また別の政府関係者は首相の国会の委員会での議論好きの様子を「周囲が用意した原稿以上に丁寧に自分なりに表現している」と語った。 総理番として石破首相を毎日見ている私の目にも、予算委員会が行われる日の首相の表情は違って映る。一般に、事前に用意した原稿を読む場面が多い本会議より、一問一答の予算委員会の方が答弁の負担は大きいと言われる。にもかかわらず、石破首相は、予算委員会の日は朝から表情が明るく、自ら記者団に話しかけることがあるほどだ。その理由についてある首相周辺は「予算委員会の方が議論ができるので、精神的に楽なんだろう」と解説する。