非公認にも渡していたことで注目の政党交付金、自民は選挙の月に42億円を投入する猛烈なテコ入れぶりだった!
SlowNews/スローニュース
補足これだけ巨額の交付金がわずか1カ月の間に投入され、選挙に使われてきた実態がなぜ見えてこなかったのか。背景には国民にとって唯一の情報公開の窓である「政治資金収支報告書」のデジタル公開が進んでいないことが大きいです。 今回の報道は、手書きの報告書がPDFで公開されているものなどを、研究グループがAIを駆使して全量データベース化したことで実現しました。そこまでしないと実像は見えません。報道機関が従来やってきた「人海戦術」では分析に時間がかかりすぎるのです。 政治資金規正法の改正で公開は進む部分もありますが、一方で今まで入手できた献金者に関連した情報にはアクセスしにくくなり、官報への要旨の掲載もなくなり、明らかに「後退」した部分があります。これだけ問題が続いているのですから、改めて「選挙運動費用収支報告書」も含めた公開の在り方や、政党助成制度の見直しも含めて、国会で議論していただきたい。
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1990年NHK入局。沖縄局、報道局社会部で「公金」テーマに調査報道。2006年、スクープをめぐる民事訴訟で記者の取材源秘匿を認める最高裁の初判断を勝ち取る。新潟局、仙台局では震災報道を指揮し、Nスぺ『追跡 復興予算19兆円』でギャラクシー大賞。17年、NHKの公共メディア化に尽力、「政治マガジン」「NHK取材ノート」など開発・運営。21年にSlowNewsに移籍し、調査報道記事をプロデュース。著書に『記者のためのオープンデータ活用ハンドブック』があり、これまでに20の報道機関でオープンデータ活用の講師を務めた。現在、SlowNewsで『災害前線報道ハンドブック』を連載中。