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小山堅

小山堅

認証済み

日本エネルギー経済研究所 専務理事・首席研究員

報告

解説石油備蓄は、国際石油市場が不安定化し、原油価格が高騰する際に、市場安定化のために放出される。米国は2021年後半以降の原油価格高騰の中で国家備蓄である戦略石油備蓄(SPR)を放出して市場安定化に取り組んできた。しかし、放出を行えば、当然のことながら、保有する備蓄量は減少する。将来、また起こりうる供給途絶に対応するための能力が低下してしまうことになる。それに備えて備蓄を積み増すためには、できるだけ、石油価格が安く、安定している時が望ましい。購入負担を軽減するためでもあり、また、備蓄用の購入が需給を引き締め価格上昇をもたらすことが無いように、との配慮も必要だからである。今後の米国の石油備蓄については、積み増し用の購入動向と、市場安定化のための放出、双方の動きに注目していく必要がある。

コメンテータープロフィール

小山堅

日本エネルギー経済研究所 専務理事・首席研究員

専門は国際エネルギー情勢の分析とエネルギー政策の研究。エネルギー安全保障問題やエネルギー地政学に詳しい。

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