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木場紗綾

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神戸市外国語大学国際関係学科 准教授

報告

見解タイトルに「日鉄買収阻止後で初」とあるので、あたかも日米の二国間の話がなされるように見えますが、枠組みとしてはあくまでも、日米比の3カ国会談です。昨年4月に初の3カ国首脳会談がワシントンで実現し、海洋安全保障やサプライチェーンを含む幅広い分野での協力への合意が行われました。米国やフィリピンで政権交代が起こっても3ヶ国協力のモメンタムが失われないよう、実務レベル(高級官僚間)での協議を定期的に実施し、協力を制度化することも取り決められました。今回はバイデン大統領の退任にあたり、米国から何か新しい約束やコミットメントがなされることはないでしょうが、昨年4月の首脳会談の内容を改めて確認することになるでしょう。  日本とフィリピンにとっては、米国のリーダーが変わっても日比および日米比の協力は継続するのだという堅い信頼と結束を、米国および世界に対して意思表示できる機会になると思います。

コメンテータープロフィール

木場紗綾

神戸市外国語大学国際関係学科 准教授

神戸大学大学院国際協力研究科修了(政治学博士)。フィリピン大学研究員、在フィリピン日本国大使館専門調査員、在タイ日本国大使館専門調査員、衆議院議員秘書などを経て現職。専門は東南アジア政治、国際協力論。防衛大学校グローバルセキュリティセンター共同研究員。技能公募予備自衛官(英語)。近著に、Pathways for Irregular Forces in Southeast Asia: Mitigating Violence with Non-State Armed Groups (Routledge, 2022年)、『アジアの安全保障2021-2022』(朝雲新聞社2021年、共著)など。

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