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紙谷聡

紙谷聡

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小児感染症専門医、ワクチン学研究者

報告

このCDCと全米各地のこども病院等の共同研究は、臨床試験で得られていた小児へのファイザー製新型コロナウイルスワクチンの有効性が、実臨床の現場においても高い重症化予防効果が示された論文です。しかし、こちらの記事はデータを読み間違えています。新型コロナウイルスで入院した179例のうち、ワクチン未接種が173例(97%)であったことは正しいですが、生命維持の処置が必要であった数字が間違っています。正しくは生命維持の処置が必要であった小児29例のうち、全29例がワクチンを未接種(つまり100%未接種)が正しい結果です。つまりワクチン未接種者は前述のように全体で173例いたのですが、その未接種者のうち29例(16%)が生命維持の処置が必要であったことを読み違えたのでしょう。この記事の間違えた数字からですと結論が全く違ってしまいますので注意してください。ワクチンの効果は極めて高かったことが正しいです。

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コメンテータープロフィール

紙谷聡

小児感染症専門医、ワクチン学研究者

エモリー大学小児感染症科助教授。日本・米国小児科専門医。米国小児感染症専門医。富山大学医学部を卒業後、立川相互病院、国立成育医療研究センターなどを経て渡米。現在、小児感染症診療に携わる傍ら、米国立アレルギー感染症研究所が主導するワクチン治療評価部門共同研究者として新型コロナウイルスワクチンなどの臨床試験や安全性評価に従事。さらに米国疾病予防管理センター(CDC)とも連携して認可後のワクチンの安全性評価も行っている。※記事は個人としての発信であり組織を代表するものではありません。

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紙谷聡の最近のコメント

  • 紙谷聡

    小児感染症専門医、ワクチン学研究者

    解説記事のタイトルの通り、子どもをRSウイルスから守る予防接種は本当に小児科医にとって待望のワクチンです…続きを読む

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    小児感染症専門医、ワクチン学研究者

    この研究の著者の一人としてコメントします。今回の研究で妊婦さんがコロナワクチンを打つとワクチンが対象…続きを読む

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