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紙谷聡

紙谷聡

認証済み

小児感染症専門医、ワクチン学研究者

報告

解説記事のタイトルの通り、子どもをRSウイルスから守る予防接種は本当に小児科医にとって待望のワクチンです。子どもに重症呼吸器感染症を引き起こすRSウイルスを防ぐため、1960年代からワクチン開発が試みられていましたが、その開発は難航していました。しかし、記事にあるように、妊娠中の母親に予防接種を施すことでその抗体を赤ちゃんに移行させ、赤ちゃんを守る方法とそのワクチンが見出され、ついに乳児に対するRSウイルスの予防が可能になりました。RSウイルス感染は、特に生まれて間もない赤ちゃんや1歳未満の子、そして一部の基礎疾患を持つ子に重症の症状を引き起こしやすく、まだこのウイルスに対する免疫がない子どもたちを守るためには、妊婦へのRSウイルスワクチンが極めて重要な役割を果たすでしょう。アメリカやヨーロッパでは既に接種が開始されており、日本でも承認後早期に接種が可能になることを切に願っています。

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コメンテータープロフィール

紙谷聡

小児感染症専門医、ワクチン学研究者

エモリー大学小児感染症科助教授。日本・米国小児科専門医。米国小児感染症専門医。富山大学医学部を卒業後、立川相互病院、国立成育医療研究センターなどを経て渡米。現在、小児感染症診療に携わる傍ら、米国立アレルギー感染症研究所が主導するワクチン治療評価部門共同研究者として新型コロナウイルスワクチンなどの臨床試験や安全性評価に従事。さらに米国疾病予防管理センター(CDC)とも連携して認可後のワクチンの安全性評価も行っている。※記事は個人としての発信であり組織を代表するものではありません。

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