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門倉貴史

門倉貴史

認証済み

エコノミスト/経済評論家

報告

見解日銀が異次元緩和を長期間にわたって続けてきたことが最近の行き過ぎた円安を招いた。  日銀がマイナス金利政策を解除して、金融政策を徐々に正常化させていけば、日米の金利差が縮小し、先行き円安から円高の流れに変わっていく可能性が高い。  円安が是正されれば、輸入物価の上昇にも歯止めがかかり、国民が物価高に苦しむこともなくなってくるだろう。  ただし、マイナス金利の解除は株価にはマイナス材料となる。円安は時価総額の大きい輸出関連企業の国際競争力を強めて業績の伸長をもたらしてきたからだ。  日銀の金融政策正常化の過程で外国為替レートが円高に転じれば、これまでのように株価が一本調子で上がっていくことはなくなる可能性が高い。  また、米連邦準備制度理事会(FRB)は6月にも利下げに転じる可能性が高く、そうなれば今年後半は米国の金利低下と日本の金利上昇が重なることで急激な円高が進む可能性もある。

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コメンテータープロフィール

1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。

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