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伊藤さゆり

伊藤さゆり

認証済み

ニッセイ基礎研究所 経済研究部 常務理事

報告

補足一昨日まで10日間ほど欧州の出張で円安の痛みを痛感していたところ、3月の緩和修正観測で、対ドル、対ユーロ、対ポンドでも3円ほどの円高が進んだ。 日銀の最終判断の材料は、15日公表の連合の集計だが、集中回答日までの動きを見る限り、昨年度の実績を超え、2%の物価目標と整合的水準に達するのはほぼ確実だ。 欧米中銀が利下げに動き、日銀が緩和修正に動くことは、円高要因と見られてきたが、マイナス金利解除後の日銀は追加措置に慎重な構え。 米国経済は底堅く、昨年末に市場が期待していたような利下げのペースは見込み難い。 欧州も、筆者が出張中に話を聞いた専門家らは揃って次の一手が利下げと見ていたが、人手不足やエネルギー転換によるコストなどからインフレ圧力は根強いため、22年半ば以降の利上げ時のような高速連続利下げは見込み難いとも考えていた。 日銀の緩和修正で円高に触れても、その幅は限定的だろう。

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    エコノミスト/経済評論家

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コメンテータープロフィール

伊藤さゆり

ニッセイ基礎研究所 経済研究部 常務理事

1987年早稲田大学政治経済学部卒。2005年同大学大学院商学研究科修士課程修了。日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経て、2001年ニッセイ基礎研究所入社。2023年より現職。早稲田大学商学学術院非常勤講師(2015年度~)、経団連21世紀政策研究所研究委員(2017年~)、グローバル・フォーラム「欧州政策パネル」メンバー(2019年〜)など兼務。近著に、『EUと新しい国際秩序』(日本評論社、共著)、『沈まぬユーロ』(文眞堂、共著)

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