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門倉貴史

門倉貴史

認証済み

エコノミスト/経済評論家

報告

見解一般的に60歳以降は年収が右肩下がりになる傾向が見られる。  その一方、国民年金の保険料はすべての年齢で一定となっているので、保険料の納付期間が延長される60歳から65歳になるまでの5年間は、平均的な世帯では1人あたり約100万円に及ぶ保険料負担が生活をしていくうえでかなりの重荷になる。  納付期間を5年延長することで、65歳以降は国民年金の受取額は増えるが、年金の受給は長い期間にわたって分散されてしまうため、1ヶ月あたりの年金受取額の増加はわずかなものにとどまる。納付期間を5年延ばしたとしても、国民年金の受取額は月額6万5000円から1割程度増えるにとどまり、老後に国民年金の収入だけで暮らしていくことは不可能だ。  国民年金だけに加入している人にとっては納付期間延長による負担増が強く意識される一方、65歳になってから年金受給額が増えるという恩恵はほとんど実感できないのではないか。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 中田大悟

    独立行政法人経済産業研究所 上席研究員

    補足不正確な情報、憶測、不安の煽動が際立つのがメディアによる公的年金報道です。国民年金の65歳納期期間延…続きを読む

コメンテータープロフィール

1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。

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