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井上智介

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精神科医/産業医

報告

見解『絶壁の三段壁まで来る人なら、さぞ自死の覚悟を決めてるだろう』と思う人も多いかもしれません。 しかし、記事から分かるように、死を決断してるかに見える人も、『死にたい…でも生きたい…』の間で激しく揺れ動いています。これは列車の人身事故も同じで、実際にホームから飛び込んだ人の行動を、後から防犯カメラで確認すると、長時間ホームにいて飛び込もうとするものの何台も未遂に終わっていることがあります。 やはり死ぬことは怖いのです。もちろん怖さだけはないですが、『死へのためらい』がわずかでも残っているのです。そのためらいに、いかにアプローチできるかが自殺防止には重要です。 その身近なアプローチに『どうしたの?』『話をきくよ』の声かけがあります。話の内容ではなく、自分のことを気にしてくれる人がいる現実に救われ、”死へのためらい”が大きくなるのです。声かけからできる自殺防止を多くの人に知ってほしいです。

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  • 藤野智哉

    精神科医

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コメンテータープロフィール

兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。

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