「10秒前を忘れても、喜びは残る」認知症高齢者が自分らしく生きる手段としての“はたらく” #老いる社会
Yahoo!ニュース オリジナル 特集
補足認知症と診断されると、本人だけではなく家族を含めた周りの人も色々と情報収集します。ただ、誤った認識をしている人もいます。例えば『数年後に寝たきりになってしまうんだ…』と思い込んでいる人も珍しくありません。 もちろん、診断結果を「認知症ではありませんように…」と願う気持ちはわかります。だからこそ、実際に診断がつくと、大きなショックを受けて、診断直後から全ての世界が変わってしまったように感じます。 さらに『診断後に、今まで身につけた技能が一気に失われた』と感じる人もいます。ただ、まずは今までの困りごとがある中での生活の継続が予想されます。認知症と診断されたからといって、一気に全ての喪失を思い込んで人生を悲観する必要はありません。 その時の症状に合わせて、患者さんの尊厳を保ちつつ、認知症の正しい理解を深め、患者さんと共に生きる社会を築くことが、みんなの幸せにつながるのでしょう。
Yahoo!ニュース オリジナル 特集
兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。