見解欧州国際政治の研究者の視点から申し上げるなら、現職の国会議員の方々の欧州に対する関心はおしなべて低いと言わざるを得ず、大きな危機感を持っています。米中には関心を持っておられても欧州への関心は極めて低い方が多く、このたびのロシアによるウクライナ侵略についても、侵略開始当初はまったく事の性質を理解しておられなかった議員さんも多かった印象です。 その観点からはっきりと申し上げるなら、議員の海外視察は大事ですし、欧州にもどんどん行っていただきたいと思います。しかしポイントは、①どのような成果を得ることを目的にどこを訪問したのか、②あの人数規模は適切だったのか、③目的が十分に練られた上での訪問だったとしたら、それがほとんど国民に伝わっていないのはどこに問題があったのか、④適切かつ効果的な成果発信とはなにか、等では。今回の批判をきっかけに、ぜひこうした問題を真摯に再検討していただきたいものです。
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コメンテータープロフィール
ヨーロッパ統合論、ヨーロッパの国際関係、国際政治。EU・中国関係、EUのEastern Partnership(EaP)、EU・ロシア関係など、EUの対外政策を中心に研究。発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。
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