見解たしかに「EU加盟に向けた憲法改正のための国民投票」であればEU加盟が確実になった段階でやればよいではないか、というのも一つの考え方です。ただ、EU加盟を可能な限り短期間で確実に達成したい加盟候補国にとって、このように「加盟交渉が始まったばかりの段階で早々と憲法改正のための国民投票」という動きは決して奇異なものではありません。それは、EUから問題点として指摘されそうな憲法の規定を、加盟候補国からのイニシャティブで前もって変更しておき、それに国民の支持を得ることで、EU加盟への道筋を盤石にしたいという意思の表れだからです。昨今のジョージアにおけるいわゆる「外国エージェント法」とそれに対する国民の反発を見ても明らかなように、EU加盟の観点からは逆行しそうな法律が、時の政局によって導入されることは珍しくありません。親EU路線のサンドゥ政権がこうした動きに出ることは想定の範囲内だと思われます。
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コメンテータープロフィール
ヨーロッパ統合論、ヨーロッパの国際関係、国際政治。EU・中国関係、EUのEastern Partnership(EaP)、EU・ロシア関係など、EUの対外政策を中心に研究。発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。
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