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東野篤子

東野篤子

認証済み

筑波大学教授

報告

補足EUの欧州議会は2023年12月、域内の企業に対し、商品やサービスの生産過程で児童労働の有無を確認し、あった場合は是正措置を取るよう義務付けることで合意しています。現時点では、域内の企業は自社業務で児童労働などがないかを調査するだけでよいのですが、将来的には金融機関に対し、融資先の顧客の児童労働や環境破壊の状況に関する捜査を義務付けることを求める方向に向かう可能性が指摘されています。 今回、児童労働によって収穫されたジャスミンが香水の原材料として用いられた疑いがあるとされた企業は、欧州の企業と米国系の企業の2社です。EUにおいて、上記で述べたようなより厳しい捜査義務が課されるようになれば、EU向け香水の原材料調達のあり方は抜本的な見直しを迫られる可能性もありそうです。

コメンテータープロフィール

ヨーロッパ統合論、ヨーロッパの国際関係、国際政治。EU・中国関係、EUのEastern Partnership(EaP)、EU・ロシア関係など、EUの対外政策を中心に研究。発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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