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東野篤子

東野篤子

認証済み

筑波大学教授

報告

解説世界がイタリアのプーリアで開催されているG7首脳会議に注目する中、EUでは重要な決定が下されていました。EUの大使級会合は、ウクライナとモルドバの加盟交渉の正式開始を合意したのです。前述のG7首脳会議でロシアの凍結資産を活用する500億ドル規模のウクライナ支援に関し、EUが支援金全体の半額程度を拠出する意向であることが判明しています。戦場では苦しい一進一退を続けるウクライナにとって、EUとG7によるこの2つの決定は久々の朗報といえるでしょう。 EUの加盟交渉プロセスは分かりにくいのですが、「政府間会議」とは、これまでのような加盟交渉開始前の準備プロセスではなく、35の政策領域(EUの用語で「章」)に渡る正式な交渉が始まることを意味します。 ウクライナのEU加盟交渉正式開始に反対していたハンガリーが、今回は強硬に反対しなかったことも幸いした形となりました。

コメンテータープロフィール

ヨーロッパ統合論、ヨーロッパの国際関係、国際政治。EU・中国関係、EUのEastern Partnership(EaP)、EU・ロシア関係など、EUの対外政策を中心に研究。発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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