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橋賀秀紀

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トラベルジャーナリスト

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見解これは単なるインバウンド叩きで完結する話ではない。富士河口湖町のローソン前のできごとは極端だが、こうした事例は国内で数多く発生している。いや、国内だけでなく、全世界で発生しているという表現が正しいだろう。その理由の多くはインスタグラムを中心としたSNS偏重の社会にある。一部のインフルエンサーが映える景色を「発見」し、それが広く拡散された結果、多くのツーリストがこれまでほとんど人が訪れなかったようなスポットに殺到し、それをなぞることで「消費」する。かりにローソン前に柵ができたところで、ほかのスポットが新たに「発見」され、再びそれが消費されることになるだろう。そうした旅を一概に否定するものではないが、旅行で現地を訪れることに楽しみは、自分自身ならではの視点で美しいものや楽しいものを見つけ出すことにもあるはずだ。旅行者がより多彩な視点を持つべきなのではないだろうか。

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コメンテータープロフィール

東京都生まれ。早稲田大学卒業。国内の近場旅行からアフリカの小国、LCCからファーストクラス、ゲストハウスからアマンリゾートまで旅行全般について利用者目線で論じる。著書に『エアライン戦争』(宝島社)など。『週刊東洋経済』で「サラリーマン弾丸紀行」を連載したほか、東洋経済オンライン、文春オンラインなどに寄稿している。

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