世界遺産・姫路城、外国人料金は見送り「確認難しく」 18歳未満は無料 令和8年改定へ
世界文化遺産で国宝の姫路城(兵庫県姫路市)の入場料を巡り、市は6日、現行300円の18歳未満を無料とする改定案を公表した。18歳以上については、市民は現在の千円程度に据え置き、市民以外は2千~3千円に値上げする。外国人料金の設定は見送った。市は今年度末に条例を改正し、令和8年春の料金改定を目指す。 【本社ヘリから撮影】外国人の入城者が過去最高を記録した世界遺産・国宝姫路城 市によると、今後10年間の維持管理運営費や保存修理・整備費などを考慮し、現行料金の2~3倍となる値上げが必要と判断。一方、18歳未満の無料化は「世界中の子供たちに保存継承への理解を深めてもらいたい」と説明した。外国人料金の設定見送りについては、「(来場者を)外国人と確認するのが難しい」としている。 市民料金を設定する理由として、普段から保存継承に協力していることや、市税を城の維持管理などに充てていることを挙げる。一方、新たな取り組みとして、来年4月に開幕する2025年大阪・関西万博の開催期間中、入場日時を指定するデジタルチケットを試験的に導入。年間パスポートの販売も検討する。 姫路城の入場料を巡っては、清元秀泰市長が今年6月に「外国の人は30ドル(1ドル150円換算で4500円)払ってもらい、市民は5ドルくらいにしたい」と発言。オーバーツーリズム(観光公害)対策などの一環として、外国人観光客に限って入場料引き上げを検討すると明かし、二重価格設定の是非などを巡り、議論がまき起こった。しかし翌7月には「どういう料金体系がいいか、安心安全な観光地として必要なコストなどを合わせて議論する」と軌道修正していた。