見解記事にあるような新幹線内での座席による上座・下座は聞いたことがない。そもそも上座・下座というのは、上司と部下のようにある集団におけるヒエラルキーを可視化するためのものであり、不特定多数の乗客が乗車する公共の空間において適用すること自体適切なものではない。 厳密に言えば、肘掛けの中心線よりも手前側が自分の占有領域であり、中心線よりも外側は隣に座る乗客に帰属することになるのだろう。だが、現実的にはどちらかの客によって占有されるか、あるいはどちらも相手への配慮などから利用されないかというケースがほとんどだ。 肘掛けはその構造上1名分の肘しか掛けられない以上、つねにそのスペースを「奪い合う」か、それとも「譲り合うか」という2択を迫られることになる。筆者なら後者の精神で臨んだほうが、肘掛け一つ獲得するよりも、結果としてストレスのない移動ができると考える。
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コメンテータープロフィール
東京都生まれ。早稲田大学卒業。国内の近場旅行からアフリカの小国、LCCからファーストクラス、ゲストハウスからアマンリゾートまで旅行全般について利用者目線で論じる。著書に『エアライン戦争』(宝島社)など。『週刊東洋経済』で「サラリーマン弾丸紀行」を連載したほか、東洋経済オンライン、文春オンラインなどに寄稿している。