解説昨年との対比は、コロナの影響がまだ残っていたことを考慮するとあまり意味をなさない。ただし、コロナ前の2019年と比較しても増加していることは注目すべきポイントといえるだろう。2019年の年間平均の為替相場は1ドル約110円だったので、円安が一段落したとはいえ、依然として140円台にとどまっている現在、日本は割安な国とみることができる。円安から円高トレンドに入ったとしても、インバウンド客が急速に減ることはないだろう。円安によって日本を訪れ、日本を知ったことで、多少円安になったとしてもそれにかまわずリピートするツーリストも一定程度存在すると想定されるからだ。インバウントによるオーバーツーリズムについては否定的な声も少なくないが、日本に訪れ、ポジティブな印象を持った人が増えれば増えるほど、長い目でみれば、日本にとってプラスに働くことを念頭においておきたい。
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コメンテータープロフィール
東京都生まれ。早稲田大学卒業。国内の近場旅行からアフリカの小国、LCCからファーストクラス、ゲストハウスからアマンリゾートまで旅行全般について利用者目線で論じる。著書に『エアライン戦争』(宝島社)など。『週刊東洋経済』で「サラリーマン弾丸紀行」を連載したほか、東洋経済オンライン、文春オンラインなどに寄稿している。