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郷原信郎

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郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表弁護士

報告

森喜朗氏が、五輪組織委員会の会長在任中に、AOKI側から、現金200万円を受領したことが事実であれば、高橋治之氏と同様に「みなし公務員」である組織委員会会長の職務に関して賄賂を受領した収賄罪が成立する可能性がある。高橋氏の事件については、組織委員会の理事の職務権限についての明文の規定がなく、AOKI側からの依頼があったとしても、それが、組織委員会理事の職務に関するものか、電通元専務としての電通への影響力によるものなのかが問題だった。一方、組織委の会長の業務執行権限は定款で明確に規定されている。高橋氏、AOKIの青木前会長が会合をもったとの報道があり、そこで、AOKIがスポンサー選定についての話があったとすると、AOKI側から森元首相に対しても、何らかの請託があった可能性がある。「病気見舞金」の名目であっても、組織委員会会長の職賄との関連性が認められる限り、賄賂性の認定の妨げにはならない。

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コメンテータープロフィール

郷原信郎

郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表弁護士

1955年、島根県生まれ。東京大学理学部卒。東京地検特捜部、長崎地検次席検事、法務省法務総合研究所総括研究官などを経て、2006年に弁護士登録。08年、郷原総合コンプライアンス法律事務所開設。これまで、名城大学教授、関西大学客員教授、総務省顧問、日本郵政ガバナンス検証委員会委員長、総務省年金業務監視委員会委員長などを歴任。著書に『歪んだ法に壊される日本』(KADOKAWA)『単純化という病』(朝日新書)『告発の正義』『検察の正義』(ちくま新書)、『「法令遵守」が日本を滅ぼす』(新潮新書)、『思考停止社会─「遵守」に蝕まれる日本』(講談社現代新書)など多数。

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