見解スタッフ系など14部門、監督賞、主演女優に続き、ちょっと想像を超える独占状態ですね。文字通り歴史が変わった瞬間です。 無論、この数年続く、アニメ・マンガ・ゲームなどを皮切りとした日本文化の浸透と人気が、この土壌作りに大きく寄与していることは間違いありません。実務的にも、これまで字幕には拒否感の強かった米国の観客が、日本語ドラマを字幕で本格的に受容した点で、決定的な地殻変動を感じさせます。他方で、配信プラットフォームは契約面では徹底した収奪モデルです。権利はもちろん収益も、現地キャスト・スタッフには残らないのは韓国イカゲームでも広く知られた事実。様々な点で、日本映像界の今後の海外進出にとって尽きせぬヒントと検証の対象ですね。 ですがまずは、真田広之という素晴らしい俳優があえて単身ハリウッドに挑戦し、味わった苦労と誠実な努力の末にたどり着いた今日を、心から祝いたいと思います。
コメンテータープロフィール
弁護士(日本及びニューヨーク)。骨董通り法律事務所 for the Arts 代表。日大芸術学部・神戸大学大学院・iU・CATで客員教授。専門はエンタテインメント・メディアの法律と契約、著作権法、肖像権・メタバースなど情報法。 内閣府知財本部・文化庁ほか委員。デジタルアーカイブ学会法制度部会長、JPASN常任理事、エンタメロイヤーズネットワーク理事。近著『18歳の著作権入門』(ちくま新書)、『エンタテインメント法実務』(弘文堂・編著)、『ロボット・AIと法』(有斐閣・共著)ほか。
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