自民、不記載額返還求め寄付検討 裏金議員に「けじめ」要求
自民党は政治資金パーティー裏金事件を巡る「けじめ」として、政治資金収支報告書への不記載があった「裏金議員」に対し不記載額の返金を求め、党が国庫などに不記載相当額を寄付する検討に入った。複数の政権幹部が10日明らかにした。 【写真まとめ】注目の「裏金議員」の当落、どうなった 自民調査によると、パーティー券収入のキックバック(還流)や中抜きに関する不記載・誤記載があったのは85人で、総額は計5億7949万円に上る。 寄付の具体的な方法は今後党内で検討するが、裏金議員に対し、旧派閥や党に不記載額を返金するよう要請。党が立て替える形で、不記載相当額を国庫や被災地に寄付する案を検討している。 衆院選で落選した元議員も対象とする案も浮上している。近く幹部間で対応を詰めた上で、党総務会で決定する方針。年内にも手続きを終わらせたい考えだ。 一部の議員は既に自主的に不記載額を派閥などに返金している。関係者によると、党執行部は岸田政権下でも同様の案を検討したが、一部議員の反発で見送られた。9月の総裁選では加藤勝信財務相が、党として不記載額相当額を国庫に返納する案を主張していた。 自民は10月の衆院選で、与党過半数割れとなる大敗を喫した。公明党の斉藤鉄夫代表は9日の石破茂首相(自民党総裁)との会談で、裏金事件など「政治とカネ」の問題について「けじめをしっかりつけてほしい」と要求。首相は「具体的に考えている」と応じていた。【飼手勇介】