ムツゴロウさんは実は東京大学理学部生物学科動物学専攻卒業で、獣医ではありません。個人的なことで恐縮ですが、私の出身学科の大先輩にあたる方で、学生の中にはムツゴロウさんに憧れて進学してきた人も多かったように記憶しています。 私が在学当時は、小説にも登場する同級生の教授がいらっしゃり、飲み会の場で学生たちからムツゴロウさんがどんな方だったのか散々聞かれてちょっとうんざりした表情をしていたのを覚えています。 テレビ番組含め、動物に関する関心を高めてくださった、今風に言えば科学コミュニケーターであり、功労者だったと思います。私たちの世代(50歳くらい)は多かれ少なかれムツゴロウさんから影響を受けていると思います。 心よりご冥福をお祈りします。
コメンテータープロフィール
1971年横浜生まれ。神奈川県立柏陽高校出身。東京大学理学部生物学科動物学専攻卒業後、大学院博士課程まで進学したが、研究者としての将来に不安を感じ、一念発起し神戸大学医学部に学士編入学。卒業後病理医になる。一般社団法人科学・政策と社会研究室(カセイケン)代表理事。フリーの病理医として働くと同時に、フリーの科学・医療ジャーナリストとして若手研究者のキャリア問題や研究不正、科学技術政策に関する記事の執筆等を行っている。「博士漂流時代」(ディスカヴァー)にて科学ジャーナリスト賞2011受賞。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。近著は「病理医が明かす 死因のホント」(日経プレミアシリーズ)。