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榎木英介

榎木英介

認証済み

病理専門医&科学・医療ジャーナリスト

報告

補足検体取り違えは、私たち病理医にとって、極めて切実な問題です。原因は特定できなかったとのことですが、検体採取から診断までには多数のプロセスがあります。具体的には以下です。 患者を採取場所に呼び入れ→問診・診察→超音波検査→局所麻酔→針生検→圧迫止血→病理伝票作成→検体容器を所定の場所に置く→検体受付・到着確認→病理番号添付→検体の処理(専用カセットへの検体の移動、切り出し)→パラフィン浸透(脱灰、脱脂)→包埋→薄切→染色、封入(標本完成)→病理医への提出 さらに病理医が入力ミスする可能性もあります。 特定の個人を責めるのではなく、こうしたプロセスの中で取り違えが発生してもすぐ発覚できる、あるいは取り違えの可能性を減らすシステム作りが重要なのです。

コメンテータープロフィール

榎木英介

病理専門医&科学・医療ジャーナリスト

1971年横浜生まれ。神奈川県立柏陽高校出身。東京大学理学部生物学科動物学専攻卒業後、大学院博士課程まで進学したが、研究者としての将来に不安を感じ、一念発起し神戸大学医学部に学士編入学。卒業後病理医になる。一般社団法人科学・政策と社会研究室(カセイケン)代表理事。フリーの病理医として働くと同時に、フリーの科学・医療ジャーナリストとして若手研究者のキャリア問題や研究不正、科学技術政策に関する記事の執筆等を行っている。「博士漂流時代」(ディスカヴァー)にて科学ジャーナリスト賞2011受賞。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。近著は「病理医が明かす 死因のホント」(日経プレミアシリーズ)。

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榎木英介の最近のコメント

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  • 榎木英介

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    補足ブタの腎臓が患者さんに移植されたことで、新たな段階に入ったと思います。一つの新しい医療が現実のものと…続きを読む

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