見解彼の悲惨な生育歴が、弁護側ではなく、検察側の冒頭陳述で明かされたのは、ちょっと意外な気がした。 そうした生育歴が、彼のパーソナリティを形成するのにどのような影響を与えたのか。彼がこのような蛮行に至るまでに、どこかで歯止めをかける術はなかったのか。私たちの社会ができることはなかったのか…。裁判で、考えるヒントが少しでも出てくることを期待したい。 事件現場で死なせず、生きて公開の法廷で語らせることができたのは、よかったと思う。しかし、亡くなった36人中19人が匿名での審理というのは異常だ。本件は性犯罪でもなく、被害者は自分の名前を明らかにして仕事をしてこられた方だ。死刑もありうる事件の裁判で、被害者の氏名という基本的な情報が法廷で伏せられる事態が当たり前になってはならない。せめて、裁判の冒頭に裁判長は、今回こうした対応をした理由をきちんと説明すべきだった。
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コメンテータープロフィール
神奈川新聞記者を経てフリーランス。司法、政治、災害、教育、カルト、音楽など関心分野は様々です。2020年4月から神奈川大学国際日本学部の特任教授を務め、カルト問題やメディア論を教えています。
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