維新、9日にも斎藤知事に辞職要求へ 出直し選は支援しない方向 県議会全会派が辞職を迫る構図に
兵庫県の斎藤元彦知事らを告発した元西播磨県民局長が懲戒処分された後に死亡した一連の問題で、兵庫県議会(定数86)の第2会派「維新の会」(21人)は、「県政に支障が出ている」などとして、斎藤知事に辞職と出直し選挙を求める方針を固めた。関係者によると、出直し選を実施した場合でも斎藤知事の支援はしないという。9日午後にも服部洋平副知事に書面で申し入れる。 【写真】斎藤知事叱責の数々 職員アンケート中間報告 日本維新の会の藤田文武幹事長も同日午後に会見する。一方、最大会派の自民党(37人)は12日にも斎藤知事に辞職を要求する予定で、維新を除く3会派がこれに同調する。全会派が辞職を迫る構図となり、知事は一段と厳しい立場に追い込まれる。 元県民局長の告発文書を巡り、斎藤知事は県議会の調査特別委員会(百条委員会)で「真実相当性がない」とし、通報者への不利益な扱いを禁じる公益通報者保護法の対象外と繰り返し主張した。これに対し、百条委に参考人招致された専門家2人はそろって同法違反との見解を示した。 こうした状況を踏まえ、維新の県議団は8日夕にオンライン会議を開催。関係者によると、公益通報の見解は専門家と知事で分かれるが「県民感情に寄り添えば(知事の主張に)厳しい部分がある」などの意見が大勢を占めた。対応を協議した結果、疑惑を解明する姿勢は維持しつつ、県政が停滞していることなどを理由に辞職を求める考えでまとまった。 ただし自民のほか、公明党(13人)▽立憲民主党や無所属議員らでつくる「ひょうご県民連合」(9人)▽共産党(2人)-の計4会派が12日に予定している辞職要求とは「論理が違う」とし、同調はしない。 9日朝、報道陣の取材に応じた斎藤知事は「前回の百条委で自分の考え、認識をしっかり伝えた。これからも調査にしっかり対応することが大事」と話し、辞職を否定した。 斎藤知事は2021年の知事選で、自民と維新の推薦を得て初当選した。ひょうご県民連合は19日に開会する県議会の次回定例会で知事の不信任決議案を提出する構えも見せている。(前川茂之、金 慶順)