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東賢一

東賢一認証済み

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近畿大学 医学部 教授

報告

見解病院の半径3キロ以内に居住または勤務している人たちにレジオネラ症が発症しています。数名からは、病院の屋上の空調設備のレジオネラ属菌と同じ遺伝子パターンが検出されていますので、病院の屋上の空調設備からレジオネラ属菌を含むエアロゾルが排出されて周囲に拡散し、そのエアロゾルを居住地や勤務地などの病院の周辺で吸入したことが原因である可能性があります。これほどの範囲にまで影響したことは、これまでほとんど報告がなかった事例のように思われます。このような広い範囲の周辺への拡散によるレジオネラ症の発症がどのような状況や条件であれば起こりうるのかなどについて、疫学的な調査と検証が必要と思われます。

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コメンテータープロフィール

1988年神戸大学卒業、2007年京都大学大学院博士後期課程修了(環境衛生学講座)。化学会社、近畿大学医学部准教授等、関西福祉科学大学教授を経て、現在、近畿大学医学部教授。専門分野は衛生・公衆衛生学、健康リスク評価学、疫学。人の体を取り巻く外的要因(化学物質や病原性微生物等)と疾病や健康との関係の研究を行っている。日本公衆衛生学会認定専門家、日本衛生学会認定衛生学エキスパート。これまで世界保健機関(WHO)、国際がん研究機関(IARC)等の専門委員を務める。著書は「予防原則」(合同出版)、「テキスト健康科学(改訂第2版)」(南江堂)、「生活健康科学(新版第2版)」(三共出版)など多数。

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