2024年6月、子ども・子育て支援法などの改正法が成立しました。改正法には、政府が2023年12月に策定した「こども未来戦略」に基づく新たな少子化対策が盛り込まれています。 支援の内容や財源についてまとめました。
こども家庭庁とは(組織概要)
こども家庭庁の内部組織は、長官官房、成育局及び支援局の1官房2局体制です。 ●長官官房(企画立案・総合調整部門) こどもの視点、子育て当事者の視点に立った政策の企画立案・総合調整。必要な支援を必要な人に届けるための情報発信や広報など ●成育局 保育所、認定こども園、妊娠・出産の支援、事故防止、児童手当制度など ●支援局 虐待防止、ヤングケアラー支援、社会的養護、貧困対策、ひとり親支援、障害児支援、 いじめ・不登校、自殺対策など
日本の少子化の現状
2030年代に入ると、日本の若年人口は現在の倍速で急減し、少子化はもはや歯止めの利かない状況になると言われています。2030年代に入るまでが少子化傾向を反転できるラストチャンスとされています。
日本の人口は2100年には7685万人…国連による日本人口の推移予想をさぐる(2024年公開版)
不破雷蔵8/20(火) 9:01
こども未来戦略「加速化プラン」とは
「こども未来戦略」は、将来の展望を描けない若い世代や子育て世代の悩みを受け止めるために策定されました。戦略の基本理念として以下が掲げられています。 ●若者・子育て世代の所得を増やす ●社会全体の構造や意識を変える ●すべてのこどもと子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援していく
若者・子育て世代の所得向上への支援
若者や子育て世代への支援としては、児童手当の給付期間延長、出産費用の保険適用検討、教育費負担の軽減(給付型奨学金の対象拡大など)、子育て世帯に適した公営住宅への優先入居などがあります。
すべてのこども・子育て世帯をとりまく環境への支援
共働き家庭へのサポートや子育ての孤立感軽減のためにも、保育施設などへの手厚い支援が近年ますます必要とされています。そのニーズに応えるため、「こども誰でも通園制度」や、保育士の処遇改善・配置数の検討、放課後児童クラブの質・量の拡充などが進められる予定です。また、貧困・虐待防止、障害児や医療的ケア児への支援などを通じ、さまざまな課題を抱えるこどもやその家族に対し、きめ細やかな対応を進めることとしています。
共働き・共育ての推進
共働き家庭の増加などに伴う社会全体の構造変化へ対応するため、育休給付金の給付率の引上げ(最大28日間、手取り10割相当)や、育児のための時短勤務への給付、国民年金第1号被保険者の育児期間中の保険料免除などを順次、実施していく計画です。
子ども・子育て支援金制度とは
子ども・子育て支援金制度は、児童手当の拡充、こども誰でも通園制度の創設など、総額3.6兆円規模の「加速化プラン」に基づく子育て世帯への給付に充当する財源の一つとして2026年度から創設される制度です。3.6兆円のうち、2.6兆円程度は国の予算の最大限の活用などで捻出し、支援金は残りの1兆円程度に充てられます。 この制度により、医療保険の保険料とあわせて企業や全世代は新たに支援金を拠出することになります(※)が、歳出改革による負担軽減の範囲内の拠出とすることで、実質的に負担を生じさせない仕組みになるとされています。 ※実際の拠出額は、加入する医療保険制度、所得や世帯の状況等によって異なります。 ※参考として、2028年度において、全ての医療保険制度の加入者一人あたり平均で月額450円程度と想定しています 。
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