伊藤圭

「白髪になってもフェスに出たい」――ハイスタ難波、フーファイ・デイヴの「同期」対談

2017/9/14(木) 10:45 配信

今夏のサマーソニックでヘッドライナーを務めた米ロックバンド、フー・ファイターズと、日本のロックバンド、Hi-STANDARD(ハイスタンダード)は、共に1990年代半ばにデビューした。フロントマンのデイヴ・グロール(48)と難波章浩(47)は同年代で、音楽フェスを自ら主催するなど共通点も多い。2人が携わってきたバンドは音楽シーンにムーブメントを巻き起こし、解散や活動休止といった波乱もあった。彼らは20年を超えるキャリアをどのように駆け抜けてきたのか。サマソニ前日に、東京都内のスタジオで語り合った。
(ライター・内田正樹/Yahoo!ニュース 特集編集部)

対談動画(3分)

革命が起こった90年代

——ほぼ「同期」とも言える2人ですが、デビューした90年代半ばの音楽シーンを振り返ると?

デイヴ:アメリカではちょうど80年代の終盤から、とにかくエネルギーに溢れてラウドな音を出す若いミュージシャンがたくさん現れ始めていました。パンクやアンダーグラウンドのバンドがたくさんいて、ファンもクレイジーな若い子が中心でした。彼らの中に鬱屈していたエネルギーが一気に爆発したんです。ちょっとした革命が起こったような状況でした。

デイヴ・グロール/1969年生まれ。幼い時からギターを始め、ほどなくドラムに転向。1990年にロックバンド・ニルヴァーナに参加。1991年のアルバム「ネヴァーマインド」が世界的なヒットを記録。しかし1994年、ボーカル・ギターだったカート・コバーンの急死によりニルヴァーナは解散。1995年にフー・ファイターズのフロントマンとして再始動。今年9月、9作目となるアルバム「コンクリート・アンド・ゴールド」をリリースする(撮影:伊藤圭)

難波:そうしたエネルギーの爆発に最も大きく貢献したバンドの一つが、僕はデイヴが在籍していたニルヴァーナだと感じていました。ハイスタでデビューした頃、僕は“洋楽そのもの”になりたいと思っていた。

難波章浩/1970年生まれ。1991年、Hi-STANDARDを結成。パンクミュージックとストリートカルチャーを融合させた一大フェス・AIR JAMを企画、1997年に第1回を開催。2000年、Hi-STANDARD活動休止。NAMBA69など他バンド名義やソロで活動を続け、2011年、東日本大震災後にHi-STANDARD復活、AIR JAM 2011を開催した。10月にリリースが予定されている「THE GIFT」は18年ぶりのニューアルバムとなる(撮影:伊藤圭)

デイヴ:ニルヴァーナが絶大に支持されたのは、カート(・コバーン)が幅広い音楽リスナーに受け入れられる曲を書けたからだったと思います。ビートルズを聴いていた人もセックス・ピストルズを聴いていた人も抵抗なく聴けた。カートの書く歌詞やメロディー、そして何より彼の声は誰もが共感できるものだった。まあ、あとは僕とクリス(・ノヴォセリック)の絶叫も。

難波:うん(笑)。

デイヴ:でも当時の僕らはエネルギーがあり余っていて、ただの音楽好きがどんちゃん騒ぎのパーティーをやっているような感覚でしたよ。日本に来た時も、ユンケルとかいう栄養ドリンクをライブの前にごくごく飲んでステージでウワーッと絶叫していたしね。

1991年のニルヴァーナ。左からデイヴ・グロール、カート・コバーン、クリス・ノヴォセリック(写真:RetnaUK/アフロ)

難波:以前に「サラダデイズ」(2014年)というドキュメンタリー作品を見て、あなたがワシントンD.C.の音楽シーンを丁寧に紹介していたことに感銘を受けました。フー・ファイターズがどれだけ成功してビッグになっても、自分がかつて強く影響を受けたシーンとのつながりを忘れない。その姿勢を尊敬します。

(撮影:伊藤圭)

デイヴ:ありがとう。僕はワシントンD.C.から20分ほど南の方(ヴァージニア州)に住んでいました。当時のワシントンD.C.の音楽シーンはまだこぢんまりしていて、本気でアンダーグラウンドな音楽をやっていたのなんて数百人程度でした。

でもフガジというバンドが人気を集めると、出身地やジャンルなんて関係なく、ミュージシャンなら誰もが対等だという空気が流れ始めて人々が集まっていった。音楽とはつまりコミュニティーなんだと気づかされたという意味では最高の街でしたね。

(撮影:伊藤圭)

若い世代に見せたい理想の自分

——かつてはさまざまなバンドに憧れた2人ですが、いまは互いに自らが憧れられる対象です。若い世代への影響力をどう考えていますか。

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