学校で教わった人は86%…小中高校生のネットリスクの学習状況
パソコンや携帯電話を使ってインターネットのサービスを利用する際には、多種多様な決まりごと、トラブルの回避方法、暗黙の了解的な知識・情報を習得しておく必要がある。特に経験が浅い子供達には、それらの情報は必要不可欠に違いない。そこでインターネットを利用する上での危険性に関する子供の学習経験の実情を、内閣府が2016年3月31日付で確定報を発表した「平成27年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(満10歳から満17歳までの青少年対象)の結果から確認していく。
携帯電話、特に高性能のスマートフォンの普及に伴いインターネットへのアクセスが容易になるに連れ、インターネットを介した子供のリスクも高まりつつある。警察庁が先日発表した「平成27年における出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策について」にもある通り、コミュニティサイト関連の被害児童数は過去最悪の値を示す勢いを示している。
被害を少しでも減らすには、該当者となりうる子供達への教育・啓蒙が欠かせない。そこで子供達に、これまで有害サイトやネットいじめの問題など、インターネット上で発生しうる危険について、説明を受けたり学んだりしたことがあるかを聞いた結果が次のグラフ。「学校から教えてもらった」との事例がもっとも多く、8割強を占めている。学校が教育機関としての面目を保った形である。
次いで多いのは親などの保護者から教えてもらった事例で、これが3割強。テレビや本などの媒体経由、友達経由が続く。一方で「特に無し」、つまり教えてもらったり自ら学んだ経験が無い人も1割近く確認できる。調査母体には小学生も含まれることから「パソコンや携帯電話を使い始めたばかり。教わる機会をこれから設けてもらう」などのパターンも想定されるが、1割近くは無視できる値では無い。
経年変化を見ると、携帯電話契約時の説明(特にフィルタリング回り)の促進が行われていることもあり、「機器購入時に店員に教えてもらった」とする回答率が少しずつ増えていた。しかし2014年以降は減退を示しており、残念な形となっている。他方、「特になし」は少しずつ減り、「学校で教えてもらった」「保護者から教えてもらった」は増加を示しており、関係界隈における啓蒙活動の促進が成されていることが分かる。スマートフォンの普及に留まらず、携帯ゲーム機など多種多様な機器でインターネットへのアクセスが容易になったことから、子供を見守る立場の大人たちが一体となって鋭意努力を重ねていることがうかがえる。
「保護者から教えてもらった」は2014年以降では1/3強に及んでいる。とはいえ、見方を変えれば2/3近くは保護者からネットマナー・リスクについて教えてもらっていないことになる。詳細データを確認すると、照れなどもあるのだろうが、子供の年齢が高くなるほど保護者から教わる率は低下する傾向がある(小学生39.7%、中学生37.5%、高校生29.4%)。もう少し、保護者側の積極的な教育啓蒙姿勢をお願いしたいところだ。
もっとも小学校はともかく、中高生を子供に持つ保護者の場合、それも難しい。教えさとす場合には、まず保護者自身が十分な情報知識を得る必要があるからだ。
あくまでもこれは学んだ経験があるか否かであり、最初から不足なく知識を持ち合わせていれば問題は無いが、すべての保護者がそのような技術を持ち合わせているとは考えにくい。その上で、この学習・説明経験率はいくつかの項目で明らかに上昇を継続しており、状況は改善されていると判断はできるが、それでもまだ不足していることも否めない。
保護者も子供と共に学ぶ姿勢こそ、求められているのかもしれない。
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