ことし初の甲子園で躍動した小虎 岩本が好投!原口と北條に今季1号!
1軍が巨人に3連勝した余韻漂う阪神甲子園球場に、15日は小虎がウエスタン・リーグ首位のソフトバンクを迎えました。これが今季の甲子園開催試合初日。恒例の開門時“お出迎え”に参加したのは冒頭写真の4人です。シートノックのため野手の2人は引き揚げ、投手2人が担当。初体験のルーキー山本投手は「頑張って、早く1軍で投げて、と皆さんに声をかけていただきました。応えられるようにしたい!」と話しています。
また1軍戦でおなじみのタイガースガールズが試合中のみならず、お出迎えとお見送りも登場して華やかに盛り上げました。盛り上げるといえば、きのう書いた『選手テーマソング』の件。今季はファームの甲子園開催ゲームすべてで使用することになったそうですよ!まだ1軍で聴いたことのない選手の曲も流れるので注目です。そして北條選手の「ひげのテーマ」も軽やかに…響き渡ったんですけど思ったより反応が少かったような。我々も手拍子であおったんですけど、意外に静かでちょっと残念でしたねえ。
広島で関本選手も大喜び!
もちろん北條選手は“ひげダンス”で打席に入ったわけじゃありませんが、その効果か先制タイムリー二塁打に今季1号ソロの活躍!原口選手にも3年ぶりの1発が飛び出し、投げては岩本投手が小鷹打線相手に7回まで2安打無失点。わずか4安打で3得点の小虎が、引き分けを挟んで久しぶりの連勝。何とか単独最下位は脱出です。
そうそう、ひげダンスの曲を無理やり(?)北條選手のテーマにした関本選手は、マツダスタジアムの試合前練習中に聞き「流れたんかっ!」という第一声。打席結果とともに記者から「セキさんのおかげですね」と言われると「そらそうやろ!そらそうやろ!言うといてや!」とかなり興奮気味だったそうですよ。ぷぷっ。
《ウエスタン公式戦》4月15日
阪神-ソフトバンク 2回戦 (甲子園)
ソフ 000 000 010 = 1
阪神 010 100 10X = 3
◆バッテリー
【阪神】○岩本(1勝)-高宮-渡辺-S玉置(2S) / 清水
【ソフ】●帆足(5回)-オセゲラ(3回) / 山下
◆本塁打 原口1号ソロ(帆足)、北條1号ソロ(オセゲラ)
◆二塁打 北條、安田
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]右中:中谷 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .186
2]中:柴田 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .250
〃打:一二三 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .148
〃右:緒方 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .286
3]左:狩野 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .185
4]一:森田 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .282
5]指:原口 (3-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .214
6]捕:清水 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .000
7]遊:北條 (3-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .176
8]三:陽川 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 1) .125
9]二:西田 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .108
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)
岩本 7.1回 97球 (4-6-2 / 1-1 / 2.08)
高宮 0.1回 2球 (0-0-0 / 0-0 / 0.00)
渡辺 0.1回 5球 (0-0-0 / 0-0 / 0.00)
玉置 1回 14球 (2-1-0 / 0-0 / 7.20)
試合経過は簡単にご紹介します。まず2回、先頭の森田が中前打、内野ゴロ2つで2死三塁となり北條が左翼線へタイムリー二塁打。4回は2死から原口がレフトへソロホームラン。そして7回にも2死から北條のレフトへのソロが出てリードを広げます。一方、先発の岩本は3回までパーフェクト。7回までは2安打無失点でしたが、8回に山下の中前打と安田の二塁打で無死二、三塁として牧原の二ゴロで1点返され降板。あとを高宮と渡辺が抑えます。9回は玉置が2死から連打と暴投で二、三塁としながら無失点で試合終了。
監督も岩本、原口、北條にハナマル
試合後はそのまま甲子園球場に残っての練習でした。平田監督はスタジアムツアーで見学に訪れたファンの方に声をかけるなど上機嫌です。まず岩本投手について「この前からの、ストライク先行という課題をクリアできていた。テンポも昨年より数段よくなっている。8回は先頭をバシッといっていたらね。コントロール?よかったよ。ソフトバンクは足もあって、クリーンアップも充実していて、そこにいいピッチングができた。きょうは清水がカーブをうまく使っていた」
続いて「きょうは北條デーだねえ!甲子園に来ると素晴らしいね。打って守って、やっぱり甲子園は血が騒ぐのかな。最初にタイムリーが出たし、やっぱり何かあるんじゃないの?甲子園は。気分もよくなるだろう」と北條選手の活躍を振り返ります。ひげのテーマも「あれ、いいんじゃない?スムーズだったよ。手拍子できるよな」と、お気に召したもよう。
同じく今季1号の原口選手について「DHはバッティングを買っているからね。性格が真面目すぎちゃうのか、打てないと悩んだり。もうちょっと遊びがね。でも1打席1打席、魂がこもっているんだよ。性格や人間性がバッティングに出ている。昔の俺を見ているみたいだ(笑)。ちゃんと練習すれば、ちゃんと野球の神様は見てる」と絶賛です。
「甲子園でホームラン、見事じゃない?でも原口は、あとの打席で打てなかった方を悔やんでいると思うよ。このところ練習で良くなかったんだけど、八木(打撃コーチ)の後押しもあってね。八木が“打ちますよ”と言うからね」。さらに平田監督は「練習がしっかりできる。北條も練習できる才能がある。故障だとか、痛いとか言わんから鍛えられる。鍛えられればバッティングもよくなっていく」と続けました。
「狙い通り」手応えある投球
次は岩本投手です。7回1/3を投げ4安打6三振2四死球の1失点で最速は141キロ。「今日は最初からよかったです。カウントを整えられて、ストライク先行でいけた」。スリーボールになったのが3人だけ。「意識していました」。手応えはあった?「低めに決めたい時、力を入れたい時、狙ったところにいけた」。テンポもよかった。「間(ま)というよりも、ストライクをどんどん通していけばテンポは良くなる。できれば無四球でいきたかったですね」
三振はほとんど直球で、1つだけスライダーだったのは「追い込み方にもよるけど、たまたま真っすぐを投げるタイミングだったかな。今日は狙ったところに、思うボールがいったのが良かっです」と話しました。
久保投手コーチも「岩本、よかったですね。今はずっといいんだけど、1軍のレベルでは何か1球、このボールさえ!という球種が見つかれば未来が見えてくるんだよね。これは欲を言っています。そういうとこまで来ているということ。若いし、先発してたくさんイニングを投げて、できるだけ場数を踏んで。前回が6回、今日が7回とイニングを伸ばしてきて、本当なら同点になるまで行かせたかったね。でも次のピッチャーにも経験が必要だから」と言います。
「テンポが非常に良くなった。相手との間合いとかもね。節目のとこは考えないと。前の打席で見逃し三振した打者に、はじめからポンとテンポよく入ってしまうことがある。1試合の中でも、何度も当たるとバッターは感じてくるから。こういう経験が引き出しとして残り、自分の役に立つ。いいことも悪いこともね」という久保コーチでした。
攻守での活躍は“ヒゲ”効果もあり?
2安打2打点の北條選手。タイムリー二塁打はスライダー、今季1号ソロは真っすぐを打ったものです。やっぱり甲子園は違う?「きょうだけです。去年も甲子園の1日目だけ良くて、あとアカンかったし(笑)」。タ2打席目の左飛もフェンス手前まで、いい当たりだった。浮上のきっかけになる?「きょうはみんな追い込まれてからのバッティングでしたが、真っすぐも変化球も打てたので、いい形だと思います」
守備では難しい遊ゴロを倒れながら捕ってアウトにするファインプレーもありましたね。「エラーを少なくしようと。ファインプレーよりエラーしないようにと思ってやっています。今日はショートの打球が多かったし、守備から流れを作れたかも」。ところでテーマソングは?「流れるのは知らなかったです。恥ずかしかったから、あまり聞かんようにしていました」。ソフトバンクの山下選手のも突っ込まれたそうですよ。
ホームランを打って戻ってきた時に狩野選手と一二三選手が、ベンチ前で“ひげダンス”で出迎えたのに反応がなかったとか。「いや、知らなかったです。頭を殴られすぎでわからんかった」と苦笑い。甲子園でのホームランは高校以来ですが、感触は?「全然違います。入ると思わなかった。気持ちはいいけど…お客さんがいないんで」。じゃあ1軍の試合で打たないとね。「いえ、ホームランは“たまたま”でいいです」
原口「出られることに感謝」の1本
同じく今季1号の原口選手は、公式戦で2年目の2011年に2本(どちらも代打で)打って以来のホームラン。「インコースの真っすぐです。1打席目がいい内容じゃなかったので修正しました。ヘッドを返すのが早かったので、なるべく我慢させて」。スタメンは八木コーチの進言あったと聞きました。「代表して出るわけだから責任もあるし、出られることに感謝の気持ちを持ちつつ、やっていきたいです」
公式戦3年ぶり、甲子園ではプロ2本目となる1発。「そうですね。感触はよかったですね。このところ調子がよくはなかったけど、続けてきたものが出せたかなと思います。続けることが大事、少しでもアピールしないと。これからも頑張ります」。本当に真面目な原口選手でした。毎日、黙々と鳴尾浜の室内練習場で打ちこむ姿、しっかり見ています。
プロ初の甲子園での試合に、陽川選手は「5年ぶりですね。高校の時は広いと思っていたけど、今回は少し狭く感じました」という感想。4回に猪本選手の打球をはじき、さらに悪送球というエラーをしてしまい「ちょっとバウンドが変わって、はじいたまではよかったんですが焦って暴投してしまった…」と悔やみます。テーマ曲が流れるのは「知らなかった!びっくりしました」とのこと。
最後に一二三選手です。「まだ先」と言っていtたに、いきなり代打で出てきて驚いたのですが、本人も「急でした」と。きょう16日からは完全に合流するとか。「ケガ(右太もも)は何ともない。少し休んで悔しかった。あしたからやったります!」。つまり“やってやるぞ”って意味ですね。一二三選手らしい気合の言葉でした。