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“これでいい”を詰め込んだ「motorola razr 40」は折りたたみスマホデビューに最適。

わたや|LOPYLOGテックライター

閉じてコンパクト、開いてダイナミック。無限の可能性を。というコンセプトのもと、motorolaから登場した縦折り型の折りたたみスマートフォン「razr 40」。

国内向けモデルでFeliCaに対応、かつ上位機種の「razr 40 ultra」に比べて大幅に価格が抑えられており、初めての折りたたみスマホとしても手に取りやすい一台。というわけで今回は、そんなmotorola razr 40の使い勝手やカメラ画質などじっくりレポートしていきます。

外観と基本性能

カラーバリエーションは、こちらの濃いグレーの「セージグリーン」と、ベージュカラーの「バニラクリーム」の2色になります。表面はヴィーガンレザータッチ仕上げで、質感や手触りが非常に良いです。

背面にはモトローラのロゴとFeliCa対応を示すロゴ
背面にはモトローラのロゴとFeliCa対応を示すロゴ

ヒンジを含むフレーム部分は、つや消しメタルでサラサラとした手触り。折りたたむとメインディスプレイが隙間なく密着するので、ポケットに入れて持ち歩いてもチリやゴミが入る心配はなさそうです。

底面にはType-Cコネクタとスピーカー。受話口からも音が出るステレオスピーカー(Dolby Atmos対応)です。

アウトディスプレイには、1.5インチの有機ELディスプレイ(194×368、最大60Hz駆動)を搭載。タッチ操作ができるので、通知の確認やメディアコントロールなどがこの小画面で行なえます。

メインディスプレイは、6.9インチの有機ELディスプレイ(2640×1080、最大144Hz駆動)。アスペクト比は22対9で、一般的な16対9に比べると縦に長いのが特徴です。iPhone 15 Pro(6.12インチ)と比較するとこれだけ違います。

ディスプレイには超薄型ガラスを採用しているので、折り目もほとんど目立たず、触っても凹んでいる感じはありません。また、保護フィルムはあらかじめ貼られているので別途購入の必要がない点もうれしいポイント。

スマホ本体をポンと置いて、正面から写真撮影できるのが折りたたみ式の便利なところ。集合写真ならアウトカメラでセルフタイマー撮影、自撮りならインカメラでジェスチャー撮影と手軽に写真・動画撮影を楽しめます。

ミドルハイクラスのSoCでコストカット

ミドルクラス向けのプロセッサー(SoC)「Snapdragon 7 Gen 1」を採用することで、79,874円(執筆時点Amazon価格)という手ごろな価格を実現する「razr 40」。このSoCに、8GBメモリーと256GBストレージを組み合わせています。

ハイエンドスマホに比べてパフォーマンスはやや控えめですが、普段使いでは困らない十分な処理能力をそなえています。負荷の高い3Dゲームを高画質・高フレームレートで遊ぶにはさすがに心許ないながら、筆者が試した限りだと写真や動画の撮影、編集などの用途においては、動作がもたついたり不安定になることはありませんでした。

そしてrazr 40ならではの良さが、アスペクト比22対9かつ6.9インチ大画面の視認性。SNSのタイムラインやWordPressのダッシュボードなど縦に長いものを表示するのに、これでもかというくらい適してますね。画面を分割して縦に2つのアプリを表示させても余裕があります。

一方で、縦長比率ゆえの弱点が電子書籍鑑賞。横持ちでの見開き表示、もしくは縦持ちでの1ページ表示になり、どちらの場合もこのように「余白」が大きくなります。

個人的には縦持ちがまだしっくりきますが、いずれにしてもこのサイズだと「腰を据えてじっくり読む」ってことは難しいです。縦スクロールマンガなど一部のコンテンツには適しますが、やはり縦向きフォルタブル(razr 40に限らず)の特性的に電子書籍好きの人には向かないですね。

多彩な撮影スタイルを支える高性能カメラ

カメラ構成は、光学手ブレ補正対応の約6400万画素(F値1.7)のメインカメラと、約1300万画素の超広角(F値2.2、画角120度)カメラの組み合わせ。

以下、いくつか作例を紹介します。

2倍ズーム
2倍ズーム

全体に色合いが自然で、見たままに撮影できる印象です。デジタルズーム(最大8倍)ですが、2倍までならさほど画質劣化は気になりません。

精度よく色味も自然なポートレートモード
精度よく色味も自然なポートレートモード

マクロ撮影。ピタッとピントが合う
マクロ撮影。ピタッとピントが合う

色味が自然で、料理も見たままに撮影できる印象
色味が自然で、料理も見たままに撮影できる印象

アウトディスプレイの使用感

背面一面がディスプレイになっていてる上位モデルのrazr 40 ultraは、折りたたんだ状態で各種アプリの操作ができてしまう一方、razr 40に関してはアウトディスプレイが1.5型と非常に小さく、できることは以下に限られます。

  • 時計表示
  • オーディオレコーダー
  • カレンダー
  • タイマー
  • メディアコントロール
  • 天気予報
  • 連絡先(電話発信)

各種設定は「外部ディスプレイ」から可能で、時計の文字盤変更や各機能のパネル追加をここで行います。

わずか1.5型の画面上でできることは必要最小限ですが、本体を閉じたままWi-Fiの選択やメディアコントロールができるのは便利に感じました。

アウトディスプレイ上でメッセージの返信や動画閲覧、ゲームプレイ、セルフィー撮影などできるrazr 40 ultraと比べると、汎用性って点では雲泥の差があります。結局のところrazr 40は開かないと何もできないですから、アウトディスプレイの恩恵を感じたいならrazr 40 ultraやZ Flip5のような大画面モデルでないと駄目ですね。

折りたたみスマホの新たな選択肢「motorola razr 40」

折り目やヒンジなどハードウェアの作り込み、有機ELディスプレイの表示品質、高性能なカメラなど、廉価モデルでありながらハイエンドモデルに負けじと劣らないmotorola razr 40。

ただ、アウトディスプレイの使い道がいまひとつ見いだせず、これ単体で活きるシーンは正直ほとんどありません。閉じた状態でもAndroidアプリを起動してあれこれ活用したいという人は、やはり上位モデルのrazr 40 ultraを選んでおくのが吉でしょう。

一方で、上位モデルには非搭載のFeliCaに対応している点は大きすぎるアドバンテージ。おサイフケータイが使える折りたたみスマホを探していて、かつ端末コストも最小限に抑えたい。そんな方はぜひmotorola razr 40を検討してみてはいかがでしょうか。

Editor:Tatsu Wataya

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