「結婚しなくてもいいんじゃない?」諸外国の若者達の考え、その理由
人生の大きな節目といえる「結婚」。さまざまな事情でそれを果たせない人もいれば、自らの意志でしない人もいる。それでは結婚をしなくても良いと考えている人、特に多分に対象年齢となる若年層は、どのような理由でその考え「結婚しなくてもいい」に行き着いたのだろうか。内閣府が2014年6月に発表した、日本や諸外国の若年層を対象にした意識調査「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」の結果から、諸外国における若者の結婚否定論の内情を見ていくことにする。
今調査対象母集団では日本や韓国では2割強、米英では4割前後、ドイツやフランスでは5割前後、スウェーデンでは7割近くが「結婚しなくても良い」「結婚しない方が良い」と答えている。それぞれの国の内部事情や社会文化によるところが大きいが、ここまで明確な差が出ているのは興味深い。
これら結婚否定派の人に複数回答で、その理由を尋ねた結果が次の通りとなる。
まず目に留まるのが韓国の回答率の高さ。多くの項目で諸国中トップの値を示している。同国では「結婚すべき」「結婚した方が良い」双方を合わせた結婚肯定派の数は最多、結婚否定派は日本に次いで2番目の少なさという点でも特異的で、結婚観は概してポジティブなところを有している。一方で「結婚しない方が良い」との強い否定意見も諸国中最多の5.3%との結果が出ており、この強固な否定派の多さが、そのまま各項目における回答率の高さに結びついたものと思われる。
韓国の高さも含め、全般的には「自分の趣味や娯楽を楽しめる」「一人でも不便を感じない」「経済的に余裕が出来る」など、いわゆる「独身貴族」的なライフスタイルを長所として挙げている。また「仕事に打ち込める」も含め、ポジティブな見方が多い。
日本はといえば、諸項目における値の高さは韓国に続き、アメリカと第二位を競る形が多い。他方、「異性とうまく付き合えない」「結婚までの道のりが大変」のような、結婚そのものや結婚しないことに対するメリットよりも、結婚に至るまでのプロセスの点でつまづいている、敬遠しているようすが確認できる。韓国も似たような傾向が一部出ているが、日本では特に表面化しており、これらの点が日本の若年層における結婚忌避感の要因の一つになっていることがうかがえる。
今回調査対象となった諸国の中では、日本や韓国では複数の理由が彼ら・彼女らを結婚否定派の立ち位置に座らせる原因であることが分かる。個人個人の人生観による理由ならば仕方がないが、そうでない場合には、結婚関連の社会的問題を解消するヒントが、各項目の回答率の中に隠されているに違いない。
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