小学生は普段どこで遊ぶ・過ごすことが多いのだろうか(2022年発表版)
小学生は遊び盛り。小学校での授業が終わると、公園や友達の家、さらには学校にとどまって遊ぶことが多いイメージがある。近所に小学校がある人は、授業が終わっているであろう夕方の時分に、自宅に帰らずに学校の校庭などで遊んでいる小学生の姿をよく目にしているのではないだろうか。今回は学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から、小学生が放課後にどこで遊ぶ・過ごすことが多いのか、その実情について確認する。
次に示すのは小学生に対し、放課後にどこで遊ぶ、あるいは過ごすことが多いのかについて、複数回答で尋ねた結果。もっとも多くの人が答えた場所は「自宅」だった。80.4%の小学生が「放課後は自宅で遊ぶ・過ごすことが多い」と答えている。
具体的にどのような遊びをする、あるいは単に時間を過ごすのかまでは分からないが、「自宅」との回答が群を抜いて高い値を示していることに対し、世間一般的にあるイメージとは異なる実情に、驚きを覚える人もいるだろう。「自宅」での遊びがしたいからなのか、公園や友達の家など他の場所が無い・使いづらいからなのかまでは分からないが、遊ぶ場所・時間を過ごす場所として「自宅」が多くの小学生に選ばれている。
さらに「友達の家」が20.6%しかおらず、「自宅」の80.4%とは大きく離れていることにも注目したい。単に家遊びを好むなのら、「友達の家」も「自宅」に近い値を出すはずだか、実際にはそうではない。自宅で一人遊びや兄弟姉妹と遊ぶことになるのだろうか。あるいは新型コロナウイルスの流行という現状にあわせ、そのような放課後の時間経過を余儀なくされているのかもしれない。それとも主に家庭用ゲーム機などのゲームで遊ぶので、外に出る必要がないだけなのだろうか。
次いで多いのは「公園・運動場」の26.4%。サッカーや野球、バドミントン、缶蹴り、遊具を使っての遊びなど、色々な時間の過ごし方が想像できる。あるいは単に公園や運動場は待ちあわせの目印的なものでしかなく、その場に集まっておしゃべりをしたり携帯ゲーム機で遊んでいるのかもしれない。
「習い事」や「学童(学童保育。厚労省の管轄で日中保護者が家庭にいない小学生に対して、適切な遊び場や生活の場を与えて健全な育成を図る事業)」、「塾・教室」などもそれなりの値を示しており、小学生における放課後の居場所として機能していることがうかがえる。特に「習い事」は16.5%と高い値が示されており、小学生にとっての習い事は単純にそれを学びたいからだけではなく、友達とともに時を過ごしたいとの理由もあるだろうことが推測できる。
上位陣について属性別に見たのが次のグラフ。
「自宅」は男女・学年を問わず高い値のまま。小学1~2年生でいくぶん低めだが、その分「学童」が高くなっているため、自宅にいても保護者が(パートなどで)おらず寂しさを覚えて、学童に足を運んでいるのかもしれない。あるいは幼い時分に子供一人で自宅にいるのを不安視した保護者が、学童に行くよう諭している可能性もある。学年が上がるに連れて「学童」の値が減っていくのも、その推論を裏付ける形となる。
また「習い事」は小学4年生をピークとしてそれ以降は減少するが、「塾・教室」は小学6年生で値が一気に高くなる。これは文科省の「子供の学習費調査」などで学習費の動向からも明らかにされているが、小学校の低学年まではピアノやダンス、水泳などの習い事が盛況なものの、高学年になるに連れて減っていき、代わりに塾通いをする人が増える傾向がある(要は習う対象が運動や芸術文化活動的なものから、勉学へと変わるわけだ)。多くの時間を過ごす場所も、それに従って変わっていくのだろう。
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※小学生の日常生活・学習に関する調査
直近の2022年分は2022年9月2日から6日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として保護者付き添いの下で小学生本人が回答するように答えてもらったもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。
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