【西尾市】『西尾市岩瀬文庫』企画展「昔むかしのSDGs」先人の暮らしぶりから学ぶ”持続可能な生活”
shungikuです。
みなさん、西尾市の『西尾市岩瀬文庫』をご存知でしょうか?
”日本初の古書ミュージアム”である『岩瀬文庫』は地元の実業家岩瀬弥助が明治41年に創設した“私立図書館”が始まりです。
「本を通した社会貢献と書物の恒久保存」の考えのもと「古書籍の博物館」として全国でも貴重な存在です。
ここ『西尾市岩瀬文庫』は毎回の企画展も興味深いものが多く、何より「入場無料」であることは素晴らしいと感じています。
「古書」「歴史物」が敷居を高く感じさせるのか、内容の面白さに比較して「入館者の少なさ」「知名度の低さ」が残念に思われてしかたがないのです。
今回の企画展を紹介することで”面白い”と知っていただけたら、と思います。
また「SDGs」という言葉は知っているけれど内容はよく分からない・・という方も多いと思います。
この企画では江戸時代の人々の”暮らしの知恵”を書籍を辿りながら学ぶことができるので改めて「SDGsって何?」が面白く理解していけそうです。
江戸時代の人々は「資源を使い切るプロ」でした。
現在、使い道がないと思われている灰や糞尿でさえ、資源・商品だったのです。
(各方面でリサイクルは進んでいますが)
世界中に広がり始めている「もったいない」はこの時代には既にあったものと思われます。
多くの「修理業者」が生まれ「細分化」していった江戸時代は物を大切にしながら豊かに暮らす文化が根付いていました。
「古着」の文化はまさにそれを表しています。
江戸時代、すでに「リサイクル(再生利用)」の考えは定着していました。
そして、育成林業・森林保護・供給という流れも始まっています。
この時代に生まれた「リサイクル」の考えが、今またやっと”当たり前”なこととして私たちの暮らしに戻ってきたように思います。
現代ほど便利なものがなかった時代でも、江戸の民は創意工夫で生活を楽しんでいた様子が書物の中からうかがい知ることができます。
第1章から第4章まで、文書や絵が分かりやすく展示され興味深く学ぶことができました。
2030年までの目標が進行中である「SDGs」の取り組みを江戸時代と比較しながら再度考えられたことは、とても有意義なことでした。
今回の企画展の「目のつけどころ」の面白さは秀逸です。
これから夏休みになりますね。
夏休みの自由研究として親子一緒に研究してみてはいかがでしょうか。
『西尾市岩瀬文庫』の大きな特徴は「古書を実際に手に取って読める」ということです。
ここの魅力は”ほぼすべての本”が閲覧可能ということ。
「古書」の香りもいいものですよ。
『西尾市岩瀬文庫』では小さなお子さんを持つ親子や家族の方たちにも「気軽に」入館してもらいたいと考えているそうで、自由に参加できるゲームなどを用意しています。
大河ドラマで紹介されてから「枕草子」の「閲覧希望者」が増加中。
テレビ・映画きっかけで入館者が増えるのもうれしいですね。
今回の「昔むかしのSDGs」を企画された学芸員の鈴木さんにお話を伺いました。
「SDGsの目標も折り返し地点。もう一度しっかり考え直そうとすると江戸時代を代表とする”昔の人の知恵”に共感することが多いと気づいた。企画展を通して日本人の昔の暮らしとSDGsとの繋がりを感じてほしい」と企画されたそうです。
毎回、「企画展の担当者は準備が大変」とも話してくださいましたが、私たちにとっては、その分「見ごたえのある内容」だったと感じました。
閲覧できるものが数多くあります。
「質問などあれば学芸員に遠慮なく声をかけてください」と先程の鈴木さんがおっしゃっていました。
「ふらっと、気楽に立ち寄ってほしい」とも。
落ち着ける、居心地の良い休憩室があります(涼しいです!)
外の遊具で遊んだ後の子供さんを連れて「ひと休み」できます。
現在、書庫は「登録有形文化財」です。
こちらも「国登録有形文化財」です。
このように敷地内には西尾市立図書館・岩瀬文庫の他にも「文化財」としての建造物もあり時間をかけてゆっくり歴史に触れることができるのです。
『西尾市岩瀬文庫』の学芸員さんたちの奮闘ぶりを実感した素晴らしい企画展「昔むかしのSDGs」を楽しんでみませんか?
企画展「昔むかしのSDGs」情報
場所:『西尾市岩瀬文庫』
住所:西尾市亀沢町480番地
電話:0563-56-2459
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