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土屋太鳳さんが授かり婚発表。婚活視点で”授かり婚”の是非やメリデメを分析

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:2020 TIFF/アフロ)

■女優・土屋太鳳さん“授かり婚”を婚活視点で分析

俳優の土屋太鳳さん(27歳)とダンス&ボーカルグループ・GENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太さん(28歳)がそれぞれのインスタグラムで結婚を発表されました。土屋さんは、妊娠中であることも同時に明かしています。

「先輩方にアドバイスをいただきながら結婚に向けての準備を進めておりましたところ、そのステップの中で昨年末、私たちと一緒に歩もうとする新しい生命が芽生えていることに気づきました」という結婚発表のメッセージも話題になり、いわゆる“授かり婚”であることについて、様々な感想をお見受けします。

冒頭のお二人は芸能人同士のご縁ですから、人気商売としてあらゆる仕事の調整やタイミングが発生します。年齢は20代、夫婦ともに最前線で活躍するお二人ですから、「準備を進めていた」という点、打算ではなく人間的で情熱的で潔い一面を垣間見ることができた点から、素直にエールを送りたいと感じました。

婚活現場に身を置くと、仕事に没頭しすぎてそれ以外は後回し、という考えで、40代前後で後悔する女性を多数見てきました。もちろん、仕事に没頭したり、その他の理由で生涯独身やDINKSを決断したりすることは自由で尊重されるべきですが、後悔することだけは避けたいものです。

晩婚化・未婚化・少子化がトリプルで進行している日本では、男女共に結婚や出産を後回しにして仕事に打ち込む方が多いです。しかし、本来は仕事をする自立した自分の基盤と、家庭という基盤、2つを同時進行する幸せのカタチもあるはずです。そういった面で、20代の若い芸能人がロールモデルを見せてくれることに素晴らしさを感じます。

■婚約中であれば婚姻届の提出や結婚式の前の妊娠はOK

続いて、婚活目線で授かり婚の見方についてお伝えします。

まず、結論で言うと、婚活現場でも、「婚約中」であれば婚姻届の提出や結婚式前の妊娠でも、問題なしという考えが主流です。婚活親世代の場合であっても、お家柄やバックグラウンドによりますが、おおむね同様と言えます。

昨今は、晩婚化を背景に、相手が見つかればすぐにでも妊活したいという気持ちで、自身のブライダルチェックをしてから婚活をスタートされる方が増えています。実際にお見合いや交際中に、希望する子供の数や妊活への心構えを話し合うことも当たり前になっています。

ただ、結婚相談所では、成婚前の婚前交渉は禁止というルールが一般的ですから、交際中の間柄での授かり婚は不可能。もしそうなった場合は、成婚退会ということになります。真剣交際を経て、結婚の挨拶やプロポーズを済ませた(=ご成婚をした)間柄の場合はOKです。

成婚したらすぐに婚姻届の提出をしたり結婚式の手配を始めたりする方が多いですが、実際のお式までは半年・1年という時間がかかります。その間に妊活を進めて、実際に妊娠する花嫁さんも少なくありません。

一方で、子を持つ親としてはどうでしょうか? 事前に結婚前提の交際を親に報告していたり、挨拶を済ませていたりすれば、婚約と同義として受け入れられやすくなるでしょう。ただ例えば親子関係に不和があり、妊娠どころか結婚も寝耳に水だった、または相手に不安がある場合は、より心象が悪くなってしまうことも理解できます。当人同士が授かり婚を喜んでいても、親の反対や介入で破談になっては大変です。子が親戚付き合いのかすがいとなってくれることも大いにありますが、ただでさえセンシティブな婚約・結婚・結婚式・出産という時期に、親との関係性のリカバリーに労力を割くことになるのは、できれば避けたいことでしょう。

■同じ授かり婚でも、「なし崩し的な結婚」はうまくいかないことも

授かり婚は離婚率が高い、という定説もあります。カップル間での話で言うと、婚約前には結婚後の生活、つまり経済的な面、家事育児を含む生活の面の両面を話し合うことが重要です。これを話し合う前に、「準備ができていないのに妊娠をし、なし崩し的に結婚した」という場合は、当然離婚率が高くなります。たとえ離婚に至らなくても、結婚後に「自分の希望する人ではなかった」「こんなはずではなかった……」と感じてしまうことになりかねません。

結婚相談所では、真剣交際に入っても約3~4割が破談になります。これは成婚までにしっかりと話し合いをし、理性的な判断をできている結果でもあります。誰しも思いのままに生きてほしい、ただし、重要な決断や約束は先にしてから。ご参考になれば幸いです。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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