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バイト6割、奨学金1/3強…いまどきの大学生のお財布事情

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ お金に困るのは老若男女を問わずだが大学生のお財布事情は…

大学生のアルバイト率は6割強

社会人に近い、同様の心身を持ちつつ学生の身分を維持できる、人生最後のモラトリアムな身分、大学生。彼らのお財布事情はいかなる状況なのだろうか。フルキャストが2015年3月に発表した「大学生の金銭・仕事事情に関する調査」(20代大学生・短大生対象。実家暮らし率は66.5%)の結果をもと、現役大学生のお財布事情を収入面から探っていくことにする。

調査対象母集団となる大学生に現在の収入源、実家住まいの場合は居住している世帯全体では無く回答者自身に限定、を聞いた結果が次のグラフ。

↑ 収入源(20代大学生、2015年、複数回答)
↑ 収入源(20代大学生、2015年、複数回答)

仕送りや小遣いは、実家暮らしでは4割強に留まっているが、実家外で暮らしている大学生では8割を超えている。自前の稼ぎだけで下宿暮らしをするのは相当困難なようだ。もっとも、アルバイトをしている割合は実家暮らしの方が多い。実家暮らしは小遣いが無い、あるいは少額で、それをアルバイトで充当しているとのパターンが多いのだろう。

奨学金の利用割合は実家暮らしが3割、実家外が4割強。下宿大学生の5人に2人以上は奨学金制度を利用している計算になる。

大学生の実収入額は!?

それでは実際の収入はどれ位の金額となるのだろうか。実家暮らしと実家外暮らしとの間には大きな開きがあるため、その仕切りも含めていくつかの属性別に、各収入源毎の平均値を加算して合計を算出した。

↑ 一か月あたりの平均収入額(20代大学生、2015年、円)
↑ 一か月あたりの平均収入額(20代大学生、2015年、円)

全体的な平均額は約7万円。アルバイトが3万円近く、仕送りや小遣いが1万8000円、奨学金が2万円、その他が数千円。これが実家暮らしとなると実質的にすべて自分の小遣いなどに充当されるため、必要となる額も少なくて済むことから6万円足らずに。ただし親などからの小遣い額は6000円強。一方実家外暮らしとなると収入は9万円近く。家賃や生活費その他諸々を考えると、都市圏ではこれでも結構キツい額に違いない。そしてその半分近くを仕送りで充当していることになる。

興味深いのは仕送り・小遣いや奨学金のあるなし。仕送り・小遣いでは無い場合はアルバイトと奨学金でほぼ充当され、有る無し間での差額はほとんど生じていない。一方、奨学金のあるなしでは大きな差が出ており、奨学金制度を利用している大学生にとって、奨学金は欠かせない収入源として位置づけられていることが分かる。

あくまでも今件は平均値ではあるが、昨今の大学生の金銭事情の大まかな状況を、収入面から推し量れる値には違いない。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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