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【残念な部下】指示してもピン!とこない部下にどう接するか?

横山信弘経営コラムニスト
どうもピン!ときてないな……(写真:イメージマート)

■ピン!とこない部下の原因を探る

上司から指示を出しても、部下がピン!とこないことがある。上司は一所懸命説明するのに、部下は上の空で、まるで理解していないようだ。こんな経験をしたことがある上司は多いだろう。なぜこういう事態が起こるのか。そして、どう対処すればいいのか。

今回は指示してもピン!とこない部下の対応について解説する。ぜひ最後まで読んでもらいたい。

まず、ピン!とこない原因を考えてみよう。多くの場合、知識か経験、あるいはその両方が圧倒的に不足しているからだろう。例えば、小学生に「M&Aアドバイザリー」「不動産コンサルタント」という仕事を説明しても、なかなか理解してもらえない。ピン!とこないのだ。必要な知識や経験がないからである。

会社でも同じことが起こる。新入社員に聞きなれない仕事の指示を出しても、ピン!とこないのは当たり前。必要な知識や経験がないからだ。

■ピン!とこない部下への基本的な対応策

では、どうすればいいのか?

まず、上司は部下の経験や知識のレベルを正しく把握する必要がある。

「AIのことは、多少の知識ぐらいある?」

と聞いてみて、

「まったく分かりません」

と答えるか、

「学生時代にお手伝いしたことがあります。起業家の友人がいたので」

こう答えるかで、その後の対応は変わってくる。分からないのにAIについて話を進めてしまったら、相手はピン!とこないだろう。このように、部下の能力に合わせた指示を出すことが大切だ。

次に、部下に多くの経験を積ませることが重要だ。知識だけでは、指示の意図をくみ取れないことはある。

「課長がAをやれと言ったときは、常にBもCの作業も意識しろって、ことだよな」

経験を積むことで、言われなくても分かるようになる。経験がないと、

「たしかにAをやれとは言ったけど、Aの作業だけやればいいわけじゃないだろ」

と叱られる。上司からの指示にピン!とこないからだ。

経験を積むことで、少しずつ上司の指示がピン!とくるようになる。ただし、経験を積ませるといっても、ただ放っておけばいいわけではない。適切な指導と振り返りが必要だ。何がうまくいって、何がうまくいかなかったのか。なぜそうなったのか。こういった対話を重ねることで、部下は少しずつ成長していく。

■ピン!とくる部下になるために

上司だけではない。部下もみずから積極的に学び、経験を積む姿勢が求められる。指示を待つだけでピン!とくる部下にはなれない。主体的に課題を見つけ、解決に取り組む。わからないことは素直に質問する。こういった姿勢が、成長のスピードを加速させる。

ピン!とくる、というのは本質に気付くことだ。重要なポイントを発見することである。

「なるほど! そういうことか」

「お客様は、こう言いたいんだな」

このような気付きが「ピン!とくる」という意味なのだ。

組織の成長は、個人の成長の積み重ねだ。ピン!とこない状態から、ピン!とくる状態へ。この変化を楽しみながら、上司と部下がともに成長していく。そんな組織づくりを目指してほしい。

<参考記事>

味方にすれば心強いが、敵に回したら厄介な人との正しい接し方、話し方(約8000字)

いい人なのに仕事ができない!行動力あるのに成果が出ない!そんな人との正しい接し方、話し方

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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